超音波検査室 >> 検査の進め方 >> 超音波特有のサインと用語 >> Wax and wane sign
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 Wax and wane sign = ワックスアンドウエインサインは、
肝血管腫の特徴的な超音波所見に対して用いられる用語です。



Wax and wane は日本語の訳で「満ち欠け」という意味で、特に月の満ち欠けに対して用いられる言葉です。
超音波検査で肝血管腫を長時間観察していると、径時的にエコーレベルが違って観察されることを
月の満ち欠けに例えて、Wax and wane sign と呼びます。



肝血管腫のエコーレベルが変化するサインとしては、カメレオンサインが有名ですが
カメレオンサインは、体位変換をした場合の血管腫のエコーレベルの差を指している言葉ですので
基本的に Wax and wane sign と chameleon sign は区別して用いられます。



しかし、Wax and wane sign も chameleon sign も、肝血管腫のエコーレベルが違って観察される理由は同じで
海綿静脈洞の血管構築の変化により、血流動態が変化することにより、エコーレベルが違って観察される
と考えられています。






代表例


↑ 観察直後 ↑ 約15秒後
↑ 約25秒後 ↑ 約40秒後


 上の4枚の超音波画像は一つの血管腫を観察している画像で、左上から時系列に並べてあります。


 血管腫のエコーレベルに注目して画像を見てみてください。
 最初の画像では、肝血管腫は均一な高エコーレベルの腫瘤として描出されているのに
 約15秒後の画像を見てみると、腫瘤の辺縁部分に少しエコーレベルの低い部分があるようにも見えます。



 約25秒後の画像では、明らかに腫瘤の内部が不均一に描出されてきており
 約40秒後には、不均一さが更に顕著に現れてきています。



 このように、同一腫瘤(肝血管腫)でのエコーレベルの変化のことを Wax and wane sign と呼びますが、
 血管腫の大きさ等の条件によって、観察されない場合と観察される場合があります。



 著明に観察される例では、高エコーレベルで描出されていた血管腫が低エコーレベルまで変化するものもあります。
 通常の検査時には、エコーレベルの変化を観察し続けるのは時間の無駄になってしまうので、
 一度、腫瘤のエコーレベルを観察したら、他の場所を走査し少し時間が経った所でもう一度観察するようにしましょう。



 その際、もし腫瘤のエコーレベルが変化していれば、「Wax and wane sign が認められるので肝血管腫です」
 と確定診断にすることができます。