超音波検査室 >> 正常例の解剖と画像 >> 胆嚢
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 胆嚢は肝臓から分泌される胆汁を濃縮して貯える器官で、その形は洋ナシ型もしくは長なす型を呈する。



 胆嚢は肝主葉裂溝の下方にある胆嚢窩にある。
 胆嚢の上部は結合織により胆嚢床に固定されていて、下部は腹膜に覆われている。



 正常胆嚢の大きさは、胆嚢長径で80mm以下、胆嚢短径で40mm以下とされている。
 また、胆嚢壁の厚さは通常胆汁が溜まった状態で3mm以下とされているが、
 食事などにより脂肪分が胃に入ると胆汁は十二指腸へと排出されてしまい、胆嚢壁は正常でも4〜7mm程に
 肥厚することがあり、胆嚢自体も収縮する。



 超音波腹部検査で、前処置として数時間の絶飲食をとるのはこのことが主な理由である。
 (もう一つ、絶飲食の理由として消化管の蠕動運動の活発化がある)



 胆嚢壁は粘膜層、粘膜下層、筋層、漿膜層からなり、粘膜筋層板が欠如していることが特徴である。
 通常正常例では層構造は観察されない。
 胆嚢炎などによって胆嚢壁の肥厚があるときに、層構造が観察されるときがある。



 胆嚢は3つに分けられる。
 胆嚢管に連続する上部 1/3を胆嚢頚部、胆嚢中央を胆嚢体部、胆嚢管から最も遠位側1/3を底部と呼ぶ。



              




 超音波検査での胆嚢の描出法


  
正常な胆嚢は超音波上胆嚢壁は平滑な高エコー像で描出され、内腔に溜まっている胆汁は無エコーで描出される



 正常胆嚢長軸像   正常胆嚢短軸像



 超音波検査での胆嚢の大きさの評価


  通常、正常胆嚢の大きさは、胆嚢長径で80mm以下、胆嚢短径で40mm以下であるので
  長径で80mm、短径で40mmを超えた場合は腫大の可能性がある。



  しかし、胆嚢の大きさには個人差があり、単に大きさだけでは腫大とは言えず、
  この場合、胆嚢が緊満しているかどうかが重要なポイントとなってくる。



  つまり、胆嚢内に分泌物が圧力を持って充満すると、胆嚢はパンパンに膨れるように腫大する。
  この状態を胆嚢の腫大というが、胆嚢の形状が容易に変化する場合などは緊満していないので
  ある程度の大きさがあっても腫大とはいえない。



  逆に、胆嚢内部に充分に胆汁が溜まっているのにも関わらず、胆嚢の大きさが小さければ
  腫大ということができる。
  この時、食事はもちろん、脂肪成分の摂取 (キャンディー、コーヒーに入れたミルク、果物)
  などでも胆嚢は収縮するので、必ず患者様本人に何か飲食していないか確認をするべきである。





  超音波検査での胆嚢壁の評価


  通常、超音波検査で胆嚢壁は、1層の高エコーとしてしか描出されない。



  胆嚢壁に眼に見えて厚みを持つようであれば、胆嚢壁の肥厚といって良い。



  この場合も、絶飲食が前提となるので、何も飲食していない状態であることを確認する。



食事摂取後の胆嚢