超音波検査室 >> 正常例の解剖と画像 >> 腎臓、副腎
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腎臓

  腎臓は通常、第1〜2腰椎レベルに存在し (やや個人差がある) 椎体の外側に位置し
 後腹膜に包まれた左右両側に存在する臓器である。
 右側上部には肝臓が存在し、それにより右腎は下方へ押され
 通常、右腎は左腎よりも下側に存在している。



 形状は長楕円形、ソラマメ状を示し、腎上極は腎下極よりも椎体側に寄っていて「ハの字」に配列している。



 大きさは正常で、長径が10〜12cm 短径が5〜6cm 厚径が4〜5cm であり
 通常、左腎が右腎よりもやや大きい。



 右腎では上極側に肝臓、内側に十二指腸、下極側には大腸の肝湾曲部に近隣している。
  左腎では上極側に胃、上極外側に脾臓、内側中央に膵尾部、下極側で空腸、下極外側に下行結腸
  に近接している。



 腎臓は線維皮膜に覆われており、その外側は腎周囲脂肪組織に囲まれており
 さらに、その外側は腎筋膜により囲まれている。




副腎

  副腎は両側ともに、腎の上極やや椎体側に位置している。
 右は三角状で右腎上極に接しており、左は半月状で左腎上極よりやや腹側でやや尾側に存在する。



 正常副腎は通常8〜20mm程の小さな臓器である。







 

     参考

        下大静脈             ・・・・・  IVC inferior vena cava
        大動脈               ・・・・・  AO aorta
        右腎動脈             ・・・・・  R-reanal a.
        左腎動脈              ・・・・・  L-reanal a.
        右腎静脈             ・・・・・  R-reanal v.
        左腎静脈              ・・・・・  L-reanal v.
        上腸間膜動脈           ・・・・・  SMA superior mesenteric a.
        右副腎               ・・・・・  R-adreanal gland
        左副腎               ・・・・・  L-adreanal gland
        右腎                 ・・・・・  R-kidney
        左腎                ・・・・・  L-kidney
        腎盂                 ・・・・・  pelvis
        髄質                ・・・・・  medulla
        皮質                 ・・・・・  cortex
        腎杯                 ・・・・・  calyx
        ベルタン柱              ・・・・・  column of Bertin




  超音波での腎臓の描出法


  超音波検査上で、腎は体の側面、もしくはやや背側にプローブをあてて描出する。
  個人差もあるが、肋骨に囲まれている場合もあるので呼吸による腎臓の移動を上手く利用して
  正確な腎臓の長軸や短軸を描出するようにすべきである。



  腎臓の背側は厚い背筋群に覆われており、背面からの走査では超音波の減衰が強く
  詳細な腎実質の観察には適さない。



  また、腎門部 (脈管の出入り口、腎盂の出口になっている部位) は内側上方にむかって開口しているので
  やや背側側から走査を行わなければ、腎臓との連続性を持った腎門部や腎盂の画像は
  得られないことに注意する。


  


 @で得られる画像

   肝臓を音響窓として明瞭に描出される。
   腎皮質の詳細な評価はできるが、
   腎門部は観察されていない。
Aで得られる画像

  やや背側の肋間から得られる画像で
  背筋群が厚くなってくるため腎皮質は@と比べて
  明瞭ではないが、腎門部の評価に適している。



 Bで得られる画像

   左腎は周囲を腸管に囲まれているので
   右腎に比べて、背側よりでしか観察できない。
   腎門部は観察されていない。
Cで得られる画像

  さらに背側の肋間から得られる画像で
  背筋群が厚くなってくるため腎皮質はBと比べて
  明瞭ではないが、腎門部の評価に適している。




  腎の大きさの評価


  腎臓の大きさの大きさは通常、長径が10〜12cm 短径が5〜6cm 厚径が4〜5cm であるが
  個人差があるため、腎全体のバランスを考えて腫大や萎縮の評価を行う。



  腎臓の炎症性疾患などでは、腎の腫大を起こす事があるが、明瞭な腫大が観察される事は少なく
  全体的に丸っぽく変化する。
  長径では明瞭な変化が認められず、短径や厚径で変化が認められる事が多い。



  腎不全などの機能異常などでは、腎の萎縮を起こす事がある。
  長径で10mm、短径や厚径で4mmを下回ると萎縮と言える。



  腫大や萎縮の評価は、腎全体のバランスを評価するべきであり、
  また、両側性に起こっているのか、片側性に起こっているのかを評価して鑑別診断を進める事ができる。




  腎のエコーレベルの評価


  通常、腎臓皮質は肝臓と同等、もしくは肝臓よりも低いエコーレベルを示す。
  肝臓よりも腎臓皮質のエコーレベルの上昇が認められた場合は、腎疾患が存在する可能性が高い。



  注意すべき点として、肝臓のエコーレベルの上昇があげられる。
  例えば、脂肪肝で肝臓のエコーレベルが上昇している症例では、肝臓と腎臓皮質は明らかなエコーレベルの
  違いが観察されるはずである。
  しかし、脂肪肝が存在しても肝臓と腎臓皮質のエコーレベルの違いがほとんど見られなければ、
  腎実質のエコーレベルの上昇も同時に起きていると考えられ、腎疾患を疑って検査をする。





  超音波での副腎の描出法


  副腎は非常に小さな臓器であり、周囲に腸管などの障害になる臓器も存在する為、
  条件が良くなければ描出できないことがある。



  右副腎は肝臓などを音響窓にして比較的描出しやすいが、左副腎は周囲に腸管の存在が多く
  右に比べて描出しづらい。



  それでも、副腎になんらかの異常が認められる場合は、丁寧に走査を行えば描出できる。
  逆に正確に走査しても副腎が描出できない場合は、腫大がなく、超音波上は異常とは言えない。