超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 肝臓
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 48歳 男性


 膵頭部癌を指摘され、手術にて膵頭部切除術を施行された患者様です。



 術後2週間ほど持続する37度台の発熱を認め、炎症反応も正常値に戻らないために
 スクリーニング目的で腹部超音波検査が施行されました。
 





  肝S8に不均一な約73×48×39mmの領域が描出されています。
 境界は不明瞭で内部は不均一に描出され、病変内部には血流は認めませんでした。



 最初は転移を疑いましたが、術前精査の目的で行われた4週間前の画像検査では
 肝内に明らかな異常所見は指摘されていなかったので、
 転移性肝癌ならわずか4週間前後でここまで大きくなるとは考えにくい、と考えました。


 これほど大きい病変で、内部にはっきりとした血流信号を得られず、
 既存の脈管は正常に保たれていることや、炎症反応が存在していることなどから化膿性肝膿瘍を疑いました。






 超音波検査直後に行われたCT画像でも、不均一で不整な造影効果の乏しい病変が
 数スライスにわたって描出され、化膿性肝膿瘍が疑われました。



 超音波検査とCT検査の結果から、膵頭部癌術後の径胆道性に形成された肝膿瘍と判断され
 抗生剤投与にて治療が行われました。



 数ヶ月後には膿瘍は消失し、炎症反応も消え退院となりました。