超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 肝臓
 まず、はじめに
 超音波検査の基礎
 検査の進め方
 正常例の画像
 実際の症例
   上腹部領域
       肝臓
       胆嚢
       膵臓
       腎臓
       脾臓
       その他
   下腹部領域
   乳腺領域
   頚部領域
   四肢領域





  


 74歳 女性


  もともと身体の不自由な患者様で、普段は車椅子で生活をしていたそうです。
  全身倦怠感、原因不明の発熱で救急車で来院されました。



  来院されてからいろいろと検査を施行した後に超音波検査を施行する事になったのですが
  他の検査の直後という事で、事前に得られた情報はCT検査の結果だけで
  胸部、腹部のCT検査では脾腫が認められているだけでした。



  まず、肝臓から走査を行ったところ、次のような画像が得られました。



  肝臓のエコーレベルは著明に低下し、脈管の末梢の血管の周囲が高エコーで描出され目立っています。
  肝臓は右葉で約100mmと腫大は認めていません。



  門脈周囲を注意深く観察すると、周囲にある程度の厚みを持った高エコーに変化している領域が認められ
  それは、門脈走行域の全域に観察されました。





  胆嚢壁は全周性に軽度の肥厚が認められました。



  脾臓の大きさを計測すると、計算上は脾腫と言えるギリギリの大きさですが、
  脾臓の胃面、腎面がやや凸に観察される事、74歳という年齢での脾臓は通常萎縮気味であることから
  このケースでは著明な脾腫と考えました。



 



  肝門部では複数の肝門部リンパ節の腫大が認められました。



  以上の所見により、超音波上は「急性肝炎」が疑われる、と報告しました。



  後日、この患者様のカルテを見せてもらうと
  血液検査で、B型肝炎と肝機能低下がしてきされていました。



  しかも、カルテに記載されていたアナムネによると、
  普段から車椅子生活で一人暮らしだったこの患者様が、食事をしようと料理をしていたところ
  誤って指を火傷してしまい、面倒になってちゃんと火の通っていない豚肉を食べたそうです。



  生の豚肉を食べるとB型肝炎になることがある、と教えてもらった事がありますが、
  豚肉で実際にB型肝炎になった症例を見たのは初めてでした。



  生の豚肉は食べないようにしましょう。