超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 肝臓
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 66歳 男性


  以前から糖尿病で follow up されている患者様です。
  血液検査の結果、胆道系酵素、肝機能異常が認められ、軽度の黄疸も認めることから
  腹部精査目的にて超音波検査が施行されました。



肋間走査からスタートしましたが、プローブをあててすぐに、管内胆管が拡張していることに気が付きました。
肝右葉S6に観察される管内胆管で約5mm、肝左葉S3に観察される肝内胆管で約7mm
右葉、左葉ともに肝内胆管が拡張している事から、胆管の閉塞起点は左右肝管の合流部付近か、
それよりも十二指腸側の胆管にあると予想しました。


そこで、肝門部付近を観察してみると左右総肝管の合流部は明瞭に観察されず、
よくみると肝実質とほぼ同等の腫瘤性病変が存在しているようにも観察されます。
この時点で肝門部周辺に存在している胆管細胞癌を疑いましたが、腫瘤の詳細な評価は後にして
肝外胆管を観察しました。


すると、観察される肝外胆管は約4mmと拡張は認めず、やはり閉塞起点は肝門部であることが疑われ
肝門部の腫瘤性病変による閉塞性黄疸と考えました。


腫瘤は境界不明瞭で内部は肝実質と同等かやや低いエコーレベルで描出され、内部は不均一な腫瘤です。
肝内にその他の腫瘤性病変は観察されず、胆管細胞癌を疑う所見だと思います。



超音波検査の後に行われたCT検査でも
同様の所見が認められています。


左右の肝内胆管は拡張し、肝門部に腫瘤を認めています。
肝外胆管にやはり異常所見は認めず
CTでも胆管細胞癌を疑われました。








この患者様に対して、腫瘍の摘出術が行われましたが、2年後に転移性肝癌のために亡くなられました。
術後の病理結果はも胆管細胞癌でした。