超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 肝臓
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 42歳 男性


  以前からB型肝炎ので1年ごとに follow up されている患者様です。
  依頼目的は「B型肝炎、肝内腫瘤検索目的」で、慢性肝炎があることは検査前からわかっていた症例です。




 肝臓のどこを見ても肝実質は粗雑に観察され、B型肝炎のメッシュパターンではないでしょうか?
 比較的、肝は観察しやすかったのですが、あまりに再生結節と思われる
 低エコー部分が多い為、観察自体には結構時間がかかりました。
 ( 目立って大きな再生結節を見つけたら、肝細胞癌の可能性を示唆しなければなりません )


 右下の画像では肝腎コントラストを観察していますが
 肝深部でのエコー減衰が認められないことや、肝実質のエコーレベルの上昇が軽度であることなどから
 この肝実質のエコーレベルの上昇は、脂肪沈着などによるものではなく
 慢性肝炎に伴う肝実質の変性により引き起こされているエコーレベルの上昇と考えました。


 また、肝辺縁の凹凸や鈍化も観察されています。





 脾臓を観察してみると、まず Spleen Index で著明な脾腫が指摘できます。
 大きさは約110×42mmで、脾臓の下面では膨隆するように脾臓が腫大しているのがわかります。


 胆嚢壁の肥厚は認められませんでした。
 明らかな腫大、萎縮等の形態の変化も認められず、胆嚢自体は正常と判断しました。


 この後、数箇所において門脈血流の評価も行いましたが、血流方向の以上や脈管径の拡大は認められず
 門脈圧亢進症は指摘できませんでした。
 肝門部リンパ節もしつこく検索してみたのですが、はっきり描出できるものはありませんでした。



  ・ 肝実質が非常に粗雑に観察されていること

  ・ 肝実質の軽度のエコーレベルの上昇が認められること

  ・ 肝辺縁の鈍化、凹凸が観察されること

  ・ 脾腫を伴っていること

  などの超音波所見から「肝実質には慢性肝炎に伴う著明な変化が認められる」と報告しましたが
  肝硬変や門脈圧亢進症は併発していないと考えました。


  あともう一つ、重要な点として肝実質内に明らかな腫瘤性病変は認められませんでした。