超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 肝臓
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 39歳 女性


  生理不順を主訴に婦人科を受診された患者様です。
いくつかの検査で調べたところ子宮頸癌が見つかり、腹部転移の有無を検索する目的で超音波検査が
行われました。



 肝S2からS3にわたって約40×38×37mmの腫瘤性病変が認められます。


境界は明瞭でhump sign を伴って観察されています。
円形の腫瘤の内部は比較的均一な低エコーで描出されています。


もともと子宮頸癌があり腫瘤を見つけた時点で一番最初に転移性肝癌を疑いましたが
Bモードで画像をみる限り、あまり転移性肝癌が疑われる所見ではないという印象を持ちました。


カラードップラーをあてて観察してみると、




非常に血流が豊富な事がわかるのと同時に、肝臓から流入出している脈管構造も観察できました。


そして、パルスドップラーで血流波形を測定してみました。




 非常に多くの脈管が観察されていますが、いずれの血管もパルスドップラーを計測していくと
腫瘤の中心から腫瘤の外側にむかって血流が認められているのがわかります。


教科書どうりの車軸状のカラードップラー画像とは言えませんが、
カラードップラー画像、パルスドップラー画像を理由に、FNHを最も疑う所見であると考えられました。


レポートには「FNHが最も疑われ、転移性肝癌は否定的」と記しましたが、
患者様が手術を希望したらしく、この子宮頸癌の手術とは別に肝腫瘤に対する手術も行われました。


術後の病理所見も「限局性結節性過形成疑い」となっていました。


比較的、典型的な超音波所見を示したFNHではないでしょうか。