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  64歳 女性





  これはちょっと難しくて間違いやすい症例でした。



  会社の検診で「肝機能異常疑い」ということで、初めての超音波検査を受けられた患者様です。
  よって検査の段階では血液データの他には情報はありません。



  プローブをあてた時点ですぐに分かるような脂肪肝がある症例で、
  肝S3に腫瘤性病変が認められます。
  腫瘤の周囲は低エコー帯のように観察され、中心部は肝と同等のエコーに観察されます。



  左の画像では主流が肝辺縁よりも膨隆しているように観察されますが、はっきりとは観察されず
  右の画像では膨隆は確認できません。
  剣状突起直下で正常例でも膨隆のように観察されやすい部位なので、



  腫瘤による膨隆なのか、生理的に膨隆 (剣状突起による) のように観察されるのか判断が難しいところです。
  はっきりとした血流も認められず、私は肝細胞癌をレポートに記載し、鑑別診断として肝血管腫を書きましたが
  あまり自信がありませんでした。



  そして、数日後に撮影されたCTが下の画像です。


          ↓


                          →







   CT axial 動静脈相           CT sajital MPR 再構成像


  結果はご覧の通り、肝血管腫でした。



  色々調べた結果、次のことがわかりました。



  肝血管腫では腫瘤の周囲では中心部よりも血流が豊富だそうです。
  脂肪肝がベースにある場合、その豊富な血流によって脂肪が沈着しづらくて
  腫瘤周囲のみが正常肝のエコーレベルで観察される事があるようです。
  nomal spard area と同じ原理です。



  それが腫瘤周囲の低エコー帯に観察された訳でした。