超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 肝臓
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 61歳 女性


 1987年に交通事故により大量輸血を受けた際、C型肝炎に感染した患者様です。
 長年、CT検査や超音波検査を併用して経過観察を行っている症例で、
 今回も経過観察目的、肝細胞癌検索目的で超音波検査を行われています。



 


 肝臓のどこを走査しても、辺縁が凹凸に観察され、腹水を伴っているのが判ります。

 また、右画像の肝左葉の縦断像では、肝下面が凸に変化して腫大しているのがわかります。

  ここのことを言っています click⇒  もう一度クリックすると消えます。






 左画像では胆嚢壁が肥厚しているのがわかると思います。
 胆嚢内腔からみて、胆嚢壁が 高エコー ⇒ 低エコー ⇒ 高エコー と層構造が観察され
 double wall で描出されているのがわかると思います。
 胆嚢壁の肥厚に伴い Sonolucent layer が観察されているといえます。

 また、門脈の太さが計測されていますが、10mm程度と拡張とはいえません。



 右画像では著明な脾腫が認められ、脾臓と横隔膜の間にも腹水が認められています。






 左画像は肋間走査で、門脈右枝を観察している画像です。
 上に向かう血流が赤で表示されているので、門脈血流は正常に観察されているのがわかります。


 中央の画像は脾静脈を観察しています。
 血流が脾臓から門脈へ向かって流れている事が判ります。


 右画像は、門脈臍部での門脈のパルスドップラーを観察しています。
 一定の定常波で描出される門脈血流に異常は認められませんでした。


 これらの門脈血流の評価から、門脈圧更新症は合併しておらず、門脈血流は求肝性であると判断しました。





 以前より慢性肝炎がある症例で、

 ・ 肝実左葉が腫大し、肝辺縁は凹凸が著明に観察される事

 ・ 腹水を伴っている事

 ・ 脾腫を伴っている事

 ・ 胆嚢壁が肥厚し double wall が観察される事



    などの理由から、慢性肝炎から肝硬変に移行しているとレポートしました。




 また、追記情報として

 ・ 肝実質はそれほど不均一で描出されない

 ・ 門脈圧更新症は合併していない

 ・ 肝内に明らかな腫瘤性病変は観察されない


    ということも、レポートしました。