超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 肝臓
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   内部は無エコーで描出される。 稀に嚢胞内感染や出血を伴うケースがあり
           その場合は嚢胞壁の肥厚、内部エコーそ出現、隔壁構造の出現を認めることがある。


   嚢胞は側方エコーが認められ、後方エコーは増強するが、
                       小さな嚢胞の場合は後方エコーが観察されないことがある。


   形状はほとんどが類円形を示すが、時に不整形を呈することがある。




   肝嚢胞の原因は明らかになっていない。
   嚢胞の病理組織では嚢胞壁に円柱上皮をしばしば認める事から
   胆管に起因するものではないか、と考えられている。



   肝嚢胞は肝臓の腫瘤性病変の中でも、特に頻度の高い腫瘤で、中年以降に発生することが多く
   しばしば多発して観察され、巨大化することも珍しくはない。
   また、小さな肝嚢胞は定期的な経過観察をしていて消失することも珍しくはない。



   日本の全人口の3%に見られるといわれている。
   また80歳以上では8%に見られるといわれ、経年変化によるものではないか、と考えられている。



   肝嚢胞の形状は類円形であることが多いが、時に不整形を呈する事もある。
   嚢胞壁は極めて薄く、超音波検査では壁は通常観察されない。



   嚢胞の内部は無エコーで描出され、後方エコーは増強し、側方エコーを認める。



   稀に、嚢胞内感染や出血を伴うケースがあり、その場合は嚢胞壁の肥厚、低エコーに描出される内部エコー、
   隔壁構造の出現などが観察される事があり、急性期には疼痛や発熱を伴うケースも多い。



   ほとんどの嚢胞は無エコーで描出されるが、稀に嚢胞内感染や出血を伴い低エコーに描出されると
   嚢胞腺腫、嚢胞腺癌、融解壊死を伴う転移性肝癌などとの鑑別が困難な場合がある。





  肝嚢胞はその発生するパターンによって以下のように分類することができる。


  孤立性・単純性 嚢胞 ( solitary simple cyst )

     肝臓内に孤立するように単発で嚢胞が存在する。



  内部エコーを有する嚢胞 ( liver cyst with internal echoes )

     嚢胞内感染や出血を伴って低エコー化することがある。
     また、大きく成長した嚢胞内では貯留物が沈殿しているものを観察できる場合もある。
     これは、嚢胞内液が凝縮する事によって変性したものである。



  多房性嚢胞 ( multilocular cyst of the liver )

     嚢胞の内部に薄い隔壁構造を観察することができる。
     ある程度大きくなった嚢胞に観察される事が多い。



  多発性嚢胞症 ( polycystic disease )

     多嚢胞腎からの合併症と考えられている。
     成人型の多嚢胞腎 ( polycystic kidney ) は常染色体の優性遺伝による先天奇形であり、
     多発性嚢胞症は多嚢胞腎の60〜72%に合併するといわれている。
     多嚢胞腎は腎機能に影響を及ぼすが、多発性嚢胞症の場合、肝機能は通常保たれている。
     肝臓のみならず、膵臓、脾臓、卵巣に嚢胞が観察されることもある。



    いろいろな孤立性嚢胞

    典型的な所見を示した多発性嚢胞症

    肝と腎で嚢胞の程度の違いが見られた多発性嚢胞症