超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 肝臓
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   肝は転移を起こしやすい臓器で、その特徴を反映し、腫瘍自体は多彩な像を呈する。


   比較的厚い腫瘤周囲低エコー帯(halo)が存在し、中心部に実質エコーが認められた時、
       これをブルズアイサイン (bull's eye sign) といい、転移性肝癌の特徴的な画像である。


   転移性腫瘍が多数集族して、腫瘤様に観察されず、肝実質が粗くなったように観察される
       転移部分を クラスターサイン (cluster sign) といい、転移性肝癌の特徴的な画像である。


   腫瘤の内部、それも中央部に不整形の無エコー領域が存在する場合は、
                             中心壊死であり、転移性肝癌の特徴的な画像である。


   腫瘤が突出し (hump sign を示し) ている場合、突出部分に凹みが観察される事がある。
        この凹み部分を 癌臍 (umbilication) といい、転移性肝癌の特徴であるが、
           胆管細胞癌でも癌臍 (umbilication)が観察される場合があり、鑑別を要する。


 
  比較的大きさの等しい腫瘤が多発して肝内に観察される事がある。




  肝臓は悪性腫瘍からの転移を起こしやすい臓器で、血行性、リンパ行性、直接浸潤などの経路から
  転移性腫瘍を発生するが、中でも門脈血流による血行性転移が多い。



  転移性肝癌は、その原発巣の病態によって様々な形態を示す。



  もし、その症例に既に原発巣が発見されていれば、積極的に転移性肝癌を疑う事ができる。
  また肝硬変を併発している症例では、転移性肝癌の発症率が非常に少なくなる。 
  特にアルコール性肝硬変の場合は、転移を起こす確立が3%前後と言われており、非常に少ない。



転移性肝癌の形状

  転移性肝癌の形状は、その原発巣によって異なるが大きさ約3cm程度までは、円形、類円形を示すものが多い。



  大きさが3cmを超える程度に成長してくると、不整形、ヤツガシラ状になる事が多い。
  ヤツガシラとは野菜のヤツガシラから来ており、分葉状のような形状の事をいう。



  転移性腫瘍が多数集族して、腫瘤像に観察されず、部分的に肝実質が粗雑になったように観察される事があり
  これを クラスターサイン (cluster sign) といい、転移性肝癌の特徴的所見である。
  クラスターサインが観察されるときは、多数の腫瘤が集族している事を反映して、そのサイズは大きい事が多い。



  腫瘤が突出し (hump sign を示し) ている場合、突出部分に凹みが観察される事がある。
  この凹み部分を 癌臍 (がんさい=umbilication) といい、転移性肝癌の特徴であるが、
  胆管細胞癌でも癌臍 (がんさい=umbilication)が観察される場合があり、鑑別を要する。



内部エコー

  転移性肝癌が非常に小さい時、約1cm以下の場合ではほとんどが均一な低エコー腫瘤として描出される。
  しかし、粘液産生性や消化管からの転移の場合、高エコーを示す場合もある。



  転移性肝癌が1〜3cm程度の大きさ以上に成長してくると、その内部エコーは多彩になり、
  高エコーを示すものから低エコーを示すものまで、様々である。



  典型的な転移性肝癌の超音波像として
  比較的厚い腫瘤周囲低エコー帯(halo)が存在し、中心部に実質エコーが認められた時、
  これをブルズアイサイン (bull's eye sign) といい、転移性肝癌の特徴的な画像である。
  稀に、腫瘤周囲低エコー帯(halo)が薄く存在する場合があり、この時は原発性肝細胞癌との鑑別を要する。



  腫瘤の内部、それも中央部に不整形の無エコー領域が存在する場合は、中心壊死であり、
  転移性肝癌の特徴的な画像である。



  原発巣が乳頭状に発育する線癌などからの転移性肝癌の場合は、腫瘍内に石灰化を認める事がある。



特徴的分布

  転移性肝癌は、肝臓内に単発の腫瘤として存在する事もあるが、多発するケースも多い。



  肝内に多発的に腫瘤が認められたとき、ほぼ大きさの等しい腫瘤が多発的に認められた場合は
  転移性肝癌を積極的に疑う。



  原発性肝細胞癌が存在し、その周囲に娘腫瘍が発生する場合でも、多発する腫瘤が観察されるが、
  その場合、親腫瘍は著明に大きく、娘腫瘍が小さい場合が多い。



  胃癌からの転移性肝腫瘍

    HCCと鑑別が困難だった転移性肝腫瘍


  腎細胞癌からの転移性肝腫瘍

    2年前に腎細胞癌を手術した転移性肝腫瘍


 大腸癌からの転移性肝腫瘍

    下行結腸に原発腫瘍が観察された転移性肝腫瘍

    約半年で大きく成長した転移性肝腫瘍


 乳癌からの転移性肝腫瘍

    乳癌転移検索で発見された転移性肝腫瘍

    癌臍が観察された転移性肝腫瘍