超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 肝臓
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 59歳 女性


 数週間前に受けた人間ドックの結果、肝機能異常を指摘され近医を受診したところ
 特に原因がわからず、経過観察をしていた患者様です。


 経過観察中、高頻度に皮膚掻痒感を訴えるため原発性胆汁性肝硬変の可能性もある、と判断され
 肝生検を行う予定で検査入院された患者様です。


 肝生検をする前に腹部超音波検査を行いました。
 その時の依頼表には「原発性胆汁性肝硬変疑い」と記されてあったので、
 PBCを念頭に置きながら検査を行いました。





 肝と脾臓の超音波画像です。
 この画像を見てどのような印象を受けますか?


 実際に検査をしていた時にはPBCを意識しながら検査を行っていたのですが
 肝実質はそれ程不均一ではない・・・(やや不均一ともとれるか?)
 肝腫大や肝内胆管、肝外胆管の異常は認められない
 肝の辺縁は整に観察され、辺縁の鈍化や凹凸もはっきりしない
 59歳という年齢からは、脾臓はやや腫大ぎみと言えるがはっきりとした脾腫は認めない

 と判断しました。


 PBCを疑って検査を行ったのですが、肝臓、脾臓 等にPBCを疑う所見は認めず
 超音波所見としては「明らかな異常所見は認めません」とするしかありませんでした。



 数日後、この患者様は肝生検を受け、更に数日後、肝生検の結果からPBCが確定診断となりました。
 経過からいっても、腹部超音波検査を行った時には既にPBCになっていたと考えられます。
 しかし、それ程進行したPBCではなかったのでしょうか?
 PBCになっているにも関わらず、PBCを念頭に置いて肝を観察しても異常は指摘できませんでした。


 PBCに限らず「びまん性肝疾患」全てに言えることかもしれませんが
 病期の初期の腹部超音波検査で、原発性胆汁性肝硬変を指摘するとこは困難だと思われた症例です。