超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 肝臓
 まず、はじめに
 超音波検査の基礎
 検査の進め方
 正常例の画像
 実際の症例
   上腹部領域
       肝臓
       胆嚢
       膵臓
       腎臓
       脾臓
       その他
   下腹部領域
   乳腺領域
   頚部領域
   四肢領域





  


 52歳 女性


  以前より原発性胆汁性肝硬変と診断され加療されている患者様です。
 数日間続く腹痛を訴えられ、当院の救命外来を受診されました。


 PBCに関しては他院にて加療されていた為、当院に詳細な情報はありませんでしたが
 本人によれば30歳代の頃に原発性胆汁性肝硬変と診断されたそうです。
 つまり、PBCと診断されてから15〜20年は経過していると考えられる症例です。






 肝実質全域にびまん性に観察される不均一な変化が観察されていて、そのエコーパターンは非常に特徴的です。
 左上の画像では左肝静脈が観察されていますが、
 走行がやや不整で脈管の壁が不整な細かい凹凸を伴っているように観察されています。
 このことから、肝実質はやや硬くなってきていて肝硬変への移行も考えられと思いました。


 しかし、脾臓、胆嚢、胆管の形態に明らかな異常は認めず(胆石は指摘できますが)、門脈血流も正常で
 肝実質に腫瘤性病変も認めませんでした。


 レポートには
   「PBCによるものと思われる肝実質の不均一化が認められ、
                 軽度肝硬変への移行を伴っているが肝に腫瘤性病変は認めない」

                                                   と記載しました。



 PBCと診断されてから約15〜20年経過しているということで、比較的経過は長いほうだと思います。
 原発性胆汁性肝硬変 症例2 と比較してもらいたいのですが
 エコーパターーとして、ほとんど同じような肝実質の形態を示しているように思います。


 やはり、15〜20年という比較的長い経過の中で、徐々にこのような形態に変化していると予想できます。
 ウイルス性肝炎やアルコール性肝炎などの不均一化とは違う特徴をもった形態と思いますし
 その点が超音波上PBCを鑑別する点として役立つと思います。


 しかし、今回提示した症例は明らかな変化が認められている症例なので
 もう少し経過の短いPBCの肝実質はどのような変化として観察されるかが問題だと思います。