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   門脈本幹径で15mm以上、脾静脈径で10mm以上という脈管の拡張が観察される。


   門脈圧亢進症に伴い、腹水、脾腫、胆嚢壁の肥厚、側副血行路などが観察されることがある。


   側副血行路が存在する場合、直接側副血行路を描出したり、
    ドップラーで周囲の血管の血流方向を観察することで、その詳細を知ることができる。







門脈系の血流障害などを原因として、門脈圧が200mmH2O(正常は100〜150mmH2O)異常に上昇した
門脈圧の亢進状態をいう症候群名である。



門脈血のうっ血、腹水、脾腫、胆嚢壁の肥厚、側副血行路、などが観察される。
また、門脈血圧の上昇に伴い、門脈や門脈に関する脈管の拡張が観察される事が多い。
一般的には、門脈本幹で15mm、脾静脈で10mm異常の径で観察された場合は、各脈管の拡張を疑い
門脈圧亢進症の鑑別診断の一つの情報とする。



門脈圧亢進症の原因となる疾患は、肝硬変、肝外門脈閉塞症、日本住血吸虫症、Budd-Chiari症候群、腫瘍塞栓、
突発性門脈圧亢進症、など様々な疾患により引き起こされるが、
原因として最も頻度が高いのは、肝硬変による門脈圧亢進症である。



門脈圧亢進症を発症すると、門脈血流は思ったように肝に流れなくなるが、
それでも、門脈血流は腸間膜静脈や脾静脈などから、どんどん集まってくる。



その結果、正常の門脈系の脈管では血流を心臓に帰す事ができなくなり、
代償的に周囲の血管を使用して、門脈血を心臓に返そうとする。



この時に使用される周囲の血管(静脈)を、側副血行路(collateral ccirculation)という。



実際の側副血行路は、
発生部位は様々であるが、超音波検査ではドップラーでその血流方向を知ることができるので、
どこの門脈血流が正常に流れ、どこの門脈血流が異常に流れているかを観察することができる。



側副血行路の種類として、左胃静脈、胃腎静脈短絡、短胃静脈、臍傍静脈、脾腎短絡、脾後腹膜短絡、
等があげられるが、超音波上良く観察されるのはこの内、左胃静脈、臍傍静脈、脾腎短絡である。











血管に配置している「⇒」は、門脈圧亢進症が起こった際に、ドップラーで観察される血流方向を示しています。


また、側副血行路による短絡などがなくても、上腸間膜静脈や下腸間膜静脈が逆流することもあり
これも超音波ドップラー上で観察可能である。





    臍傍静脈と短胃静脈に短絡を認めた肝硬変  

    臍傍静脈に短絡を認めたアルコール性肝硬変  

    左胃静脈に短絡を認めたウイルス性肝炎、肝硬変

    脾後腹膜短絡が疑われた肝硬変