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   71歳 男性

  以前より肝機能障害により、経過観察を行っている患者様です。
 HCV(−)、HBV(−)でアルコールの多飲暦があり、アルコール性肝炎と診断されています。







 肋間走査でも肋弓下走査でも、まず Flag sign が目に付きました。



肋間走査⇒ ここの事を言っています。  をクリックしてください。 もう一度クリックすると消えます
肋弓下走査⇒ ここの事を言っています。  をクリックしてください。 もう一度クリックすると消えます



 Flag sign に加えて肝辺縁の鈍化、凹凸、実質エコーレベルの上昇が認められています。





脾臓を観察すると、明らかな脾腫が観察され

肝硬変に伴う変化と考えられました。



HCV(−)、HBV(−)、Flag sign 、脾腫、などの情報から

アルコール性肝硬変であると判断できたので

あとは、肝内腫瘤の存在の確認と

門脈圧亢進症の評価をすればOKです。


 ちなみに、この画像からもわかるように脾門部には明らかな静脈瘤の陰影は認められませんでした。





 肋弓下走査で門脈周囲を観察していると、上のような画像が得られました。


横走査では門脈臍部から連続し体表へ向かう血流信号が認められ、
縦走査ではその血流信号が蛇行しながら、下腹部へ向かう様子が観察されています。



典型的な臍傍静脈へ連続する側副血行路の超音波画像です。



その後、門脈本幹や脾静脈などの走査も行いましたが、血流異常は認められず
短絡は臍傍静脈だけである、と判断しました。



 ・ HBV(-)、HCV(-)、アルコールの長期間にわたる摂取があること

 ・ 肝辺縁の鈍化、凹凸が観察されていること

 ・ Flag sign が観察されること

 ・ 臍傍静脈を経由する側副血行路が認められること


  などの情報から

  アルコール性肝硬変に伴う門脈圧亢進症である、と報告しました。



 肝内に原発性肝細胞癌などの腫瘤は認められませんでした。