超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 肝臓
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   66歳 男性

  以前よりB型のウイルス性肝炎で follow up されている患者様です。




左は肋間走査の肝の画像、右は肋骨弓下横走査の肝の画像です。


ちょっとプローブをあてただけでも、肝実質が不均一で肝辺縁に凹凸が認められ
肝静脈の走行にも凹凸が認められ、肝硬変に移行しているのがよくわかりました。


肝硬変を伴っている状況は臨床側もわかっているでしょうから、次に問題になってくるのは
肝内に肝細胞癌等の腫瘤性病変が存在するか、側副血行路が存在するか、
この2点に気をつけながら走査を行いました。


まず肝実質について詳しく走査し、肝内に明らかな腫瘤性病変が無い事を確認してから
門脈系の血流の評価を行いました。




 肝実質の腫瘤を探している時点で気が付いていましたが、
肝左葉の下部に著明な蛇行する無エコーの構造物が観察されています。
ドップラーをあてて観察すると、全てに血流信号が乗り側副血行路だということが良く判ります。


肝左葉下部に観察される側副血行路の場合、そのほとんどが左胃静脈の側副血行路です。





 肝の形状が変化して判りづらいかもしれませんが、門脈臍部のドップラー画像です。


軽度の蛇行は認めるものの、門脈の拡張や血流異常は認められませんでした。




 次いで脾静脈を観察してみると、著明に拡張しているのがわかりました。
画像にはのっていませんが、計測すると約13mmでした。


カラードップラーで観察してみると、血流の方向は正常であることがわかります。




 他の脈管についても観察してみましたが、下腸間膜静脈が軽度の拡張を認めました。


以上の所見から
肝硬変に伴い門脈圧亢進症を発症していて、脾静脈、下腸間膜静脈からの血流に圧力が加わり
左胃静脈に側副血行路を形成している、と考えられました。