超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 胆嚢
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  58歳 男性



  この患者様は、急性腹症で夜中に救急車で運ばれてCT検査を行った際に胆嚢に異常を指摘されました。
  その時の胆嚢のCT画像が上の画像です。



  急性腹症については、急性腸炎という診断がついており、腹痛の原因は断定されていましたが
  胆嚢の異常の精査目的で超音波検査を受ける事になりました。





  得られた胆嚢の超音波画像が上の画像です。



  胆嚢壁は全体に肥厚していて、胆嚢体部では内腔が観察できませんでした。
  比較的、胆嚢壁は平滑な印象を受け胆嚢腺筋腫症を疑いましたが、胆嚢体部では胆嚢頚部や尾部と厚さの
  異なる肥厚が観察され胆嚢癌による変化も否定はできません。



  そこで、ドップラーをあててみることにしました。
  もし胆嚢癌による胆嚢壁の肥厚なら、胆嚢癌を栄養している有意な血流信号が得られるはずです。
  そして、得られた画像が下の画像です。



  思わぬ収穫でした。



  結石などでは周囲組織と音響インピーダンスの差が大きく、そこにドップラー信号がのります。
  (Bモードでは明瞭に描出されませんが、カラードップラーで観察される comet like echo です)
  この画像ではドップラー信号の始まりは胆嚢壁からのように観察され、Bモードでは観察されなかった
  胆嚢体部の壁在結石の存在を示唆しています。



  やはり、純粋な胆嚢腺筋腫症か? 
  と考え、3.5MHzのコンベックスプローブから表在用の7.5MHzのリニアプローブで撮影してみました。




  「↓」 の部分をよ〜〜く目を凝らして見てください。 (小さい画像でスミマセン・・・)



  胆嚢壁の内部に胆嚢壁よりもエコーレベルの低い部分があるのが観察できるでしょうか?
  ( 原画だと良く見えるのですが、持ってきた画像に圧縮をかけすぎてちょっと見づらくなっています )



  この一段とエコーレベルの低い部分が「RAS」です。
  高周波のプローブで観察しても、特異的な胆嚢壁の異常も認められないので
  胆嚢癌を併発していない胆嚢腺筋腫症である、とレポートに書きました。



  この患者様はこの検査の6ヶ月後、超音波検査で follow up する予定になっています。