超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 胆嚢・胆道系
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   胆管癌は低エコー~高エコーの様々なエコーレベルを示し、境界も不明瞭な場合が多い。


   基本的に乏血性の腫瘍の為、ドプラで観察してもほとんど血流信号は検出されない。


   軽度~高度に拡張した胆管が、胆管癌に向かって徐々に細く収束して観察される。
                  これを「tapering」と呼び、胆管癌に特徴的な超音波所見である。





 胆管癌の定義は肝外胆管に原発する癌であり、肝内胆管に原発する癌は肝内胆管癌として区別して考えられる。
つまり胆管癌は肝外の胆道系である左右肝管、上部、中部、下部胆管に原発する癌であり
肝内胆管癌は肝の原発性腫瘍として区別される。


 「胆道癌取り扱い規約」の肝外胆管の区分では以下のように7つに分類されている。

  ・ 左右肝管癌
  ・ 肝門部胆管癌
  ・ 肝管合流部癌
  ・ 上部胆管癌
  ・ 中部胆管癌
  ・ 下部胆管癌
  ・ 広範囲胆管癌


 また肉眼的形態分類では

   1 乳頭型
   2 結節型
   3 平坦型
   4 その他  a 膨張型
            b 浸潤型


 に分けられ、この肉眼的形態の違いは、超音波検査でも観察可能であり
臨床的には、結節型の発生頻度が高く、次いで浸潤型、乳頭型の順になっているという報告がある。


胆道系は、粘膜層、線維筋層、漿膜の3層構造を示すが、
組織学的深達度が粘膜層、線維筋層に留まっているものを早期癌、漿膜まで深達しているものを浸潤癌とする。




胆管癌の臨床症状として、初発症状では腹痛、腹部膨満感、全身倦怠感などを訴えることが多い。


胆管癌は、その発生母地である胆管系の構造の理由から、
発生してある程度の大きさに成長すると症状として黄疸を訴える場合がある。
また、黄疸が発症する前には、胆管癌による胆管狭窄に伴う胆汁のうっ滞が原因で胆管炎が起こり
発熱をきたすことがある。


胆管閉塞に伴う肝外閉塞性黄疸は90~100%と高率に認められ
心窩部痛、右上腹部痛が60~70%に見られる。
病気が進行すれば、体重減少、食欲不振、悪心、嘔吐が出現する。




肝外閉塞性黄疸では、超音波検査にて拡張した胆管が描出され胆管閉塞部位の診断も高率にできる。
特に上部、中部、肝門部、左右肝管部の胆管癌では主要を描出できる場合も多いが、
下部胆管癌の場合は十二指腸、大腸のガスによって腫瘍の描出が困難な場合もある。


胆管癌を超音波検査で観察した場合、そのエコーレベルは低エコー~高エコーと様々に観察され
腫瘍の境界も不明瞭に観察される事が多いが、
胆管癌は乏血性の腫瘍である事が知られており、ドプラで観察してもほとんど血流信号が認められない。


胆管癌の特徴的な超音波所見として「tapering」があげられる。
胆管癌の存在によって軽度~高度の拡張を示した胆管が、胆管癌の病巣に近づくに従って
徐々に細く収束するように観察される状態を「tapering」と呼ぶ。


超音波検査では、胆管の拡張や胆管癌自体の観察に加えて、肝転移、リンパ節転移、門脈浸潤も
診断できるので、それらの情報から進展度を推測することもできる。




   胆管拡張が認められなかった早期の胆管癌

   明瞭な腫瘍が認められた中部胆管癌