超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 胆嚢
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  92歳 男性



  患者様本人には、特に症状は無かったようですが
 外観からもすぐにわかるような黄疸が認められ、当院消化器内科を受診された患者様です。





 腹部超音波検査の依頼目的が「黄疸精査」ということでした。


早速プローブをあてると、肝内胆管の拡張がすぐに眼に入ってきました。
門脈と並走していて、普段はそれほど目立たない肝内胆管が、並走する門脈枝と変わらない程拡張しているので
ドプラをあてなくても、拡張した肝内胆管であると判断するのは難しくありません。


肝の右葉、左葉と観察しましたが、どちらも同程度の肝内胆管の拡張が認められる為、
最低でも、左右肝管から十二指腸側に異常が存在していることが予想されました。






  左肝管、右肝管、総肝管と観察し、異常が無かったので、そのまま肝外胆管を観察しました。
胆管系が全体的に拡張しているので非常に観察しやすく、プローブを縦にしてすぐに
肝外胆管(中部胆管)以降にある異常病変に気が付きました。



 肝外胆管は約12.5mmと明らかに拡張し、上部胆管から連続して内部に低エコー病変が観察されます。
病変は膵内胆管まで連続して観察され、ドプラではっきりとした血流は認められませんでした。
Bモードで観察される形状、エコーレベルから、観察している低エコー領域が debris であるとは考えにくく、
腫瘍を観察していると考えました。


 胆嚢は軽度緊満していましたが、それ以外の異常は指摘できず、
主膵管も軽度拡張していましたが、それ以外の異常は指摘できませんでした。


病変は上部〜下部の肝外胆管に限局して存在しており、肝外胆管から発生した胆管癌が疑われました。






 後に、ERCPによる生検で胆管癌が検出され、年齢や病変の状態から保存的治療を望まれ、
肝外胆管内にステントが挿入されました。


ステント挿入後、2ヶ月後に fiollow up の超音波検査が行われました。






  上の段の画像では、挿入されたステントが写し出されています。
ステントの周囲は不均一な低エコーで描出されており、ステントの周囲に病変が広がっていると考えられます。
また、右上の画像では肝門部リンパ節の腫大も認められ、リンパ節への転移も考えられます。


  下の段の画像では、肝臓を観察して得られた画像ですが、
いずれの画像にも、はっきりとした転移を疑う肝腫瘍が認められています。


ここで、もう一度前回の超音波画像を見てみましたが、
2ヶ月前の前回の写真には転移を疑うような腫瘍はどこにも写っていませんでした。