超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 胆嚢
 まず、はじめに
 超音波検査の基礎
 検査の進め方
 正常例の画像
 実際の症例
   上腹部領域
       肝臓
       胆嚢
       膵臓
       腎臓
       脾臓
       その他
   下腹部領域
   乳腺領域
   頚部領域
   四肢領域












   胆管の炎症、浮腫、繊維性肥厚を反映して、胆管の肥厚が観察される事が多い。


   多くは肝内外の比較的太い胆管に、胆管狭窄、単純拡張、数珠様拡張、嚢胞様拡張、憩室様突出
     などの形態の変化が観察される。


   進行例では肝硬変に移行する為、肝硬変や肝硬変に伴う変化が観察される。



   胆嚢は虚脱し描出不能な場合があり、また胆嚢癌、胆管癌を併発することがある。


   原発性硬化性胆管炎(PSC)の合併症として、炎症性腸疾患、特に潰瘍性大腸炎が有名である。





  原発性硬化性胆管炎は、肝内外の胆管の非特異的な炎症性繊維化により、胆管壁の肥厚とそれに伴う
 内腔の狭窄や閉塞をきたす進行性の疾患である。


 多くは予後不良で、胆汁性肝硬変から肝硬変へと移行する。
 原因は今現在も不明で、性別では 3:2 で男性に多く、20歳代と50~60歳代に多く発症する。


 原発性硬化性胆管炎は、炎症性腸疾患、特に潰瘍性大腸炎を合併する事で有名であり
 その他にも、慢性膵炎、胆石症、慢性関節リウマチ、シェグレーン症候群、などの自己免疫疾患の合併も多い。
 特に注目すべきは、原発性硬化性胆管炎の合併症として約10%以上に胆嚢癌がみられるとされている。


 原発性硬化性胆管炎では肝内外の胆管が不均一に障害され、
 病変の分布により肝内外型、肝内型、肝外型に分類される。
 多くは大~中型胆管が病変の主座である。


 肝内大型胆管や総胆管では分節上に胆管壁への慢性炎症細胞浸潤、浮腫や繊維性肥厚を生じ
 胆管上皮細胞は脱落、変性する。


 肉眼的には胆管内腔の狭窄と拡張が不規則に認められ、超音波上観察可能な例も多い。
 

 病態としては繰り返す胆管炎や閉塞性黄疸を呈し、肝内の小型胆管の障害では胆汁うっ滞型肝障害を呈する。


 臨床所見として、原発性硬化性胆管炎の特異的な症状は認められないのが一般的である。
 主な症状は 黄疸、皮膚掻痒感、体重減少などで、比較的早期な症例でも黄疸の出現を認める場合がある。
 また、胆道感染を起こす場合もあり、その場合は悪寒、発熱、右上腹部痛などを認める。
 進行して肝硬変へ移行すると、他の原因による肝硬変と同様の臨床所見を呈するようになる。  ⇒ 肝硬変


 画像診断の発達などの理由により、近年では早期、軽症の症例が増加しているが
 診断後 5~17年での死亡例が多いとされる。
 死因の約半数は肝不全で、次いで胆道癌、敗血症の順に多い。
 


 原発性硬化性胆管炎(PSC)の診断基準としては以下のものが一般的である。

  1984年 LaRusso らによる

      ① 血清ALP値の著明な上昇
      ② 胆道造影により肝内外胆管のびまん性狭窄、数珠状変化
      ③ 組織学的検査における繊維性閉塞性胆管炎
      ④ 単純な胆嚢摘出術以外の胆管手術や総胆管結石の既往のないこと


  1999年 Lazaridis らによる

      ① 胆道造影による典型的な胆管枝の異常所見
      ② 臨床的所見(炎症性腸疾患の存在、胆汁うっ滞の症状)
         血液学的所見(ALP値が6ヶ月にわたって3倍以上に増加)が矛盾しない
      ③ 以下の原因による二次性硬化性胆管炎を除く
          AIDSによる胆管病変
          胆管の悪性新生物(PSCが以前に診断されていれば可)
          胆道の手術、外傷
          胆管結石
          胆道の先天性異常
          腐食性硬化性胆管炎
          胆管の虚血性狭窄
          5-FU などによる動脈内投与による胆管狭窄




    胆石、胆嚢炎を併発した PSC

    潰瘍性大腸炎を併発した PSC