超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 胆嚢
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  64歳 男性


  全身倦怠感、持続する38℃台の発熱を主訴に外来を受診された患者様です。
 血液検査の結果、胆道系酵素異常が指摘され、腹部超音波検査を行うことになりました。
 超音波検査の前に行われたCT検査では、胆嚢結石が写っており胆石、胆嚢炎疑いで超音波検査を行いました。






 肝臓や肝内胆管に異常は認めませんでした。
 次いで胆嚢を観察してみると、胆嚢内に複数の結石を認め胆嚢壁は約4mmと肥厚しています。
 胆石、胆嚢炎が疑われる所見で、次に肝外胆管の観察をする必要があります。





 左上の画像は肝外胆管を観察している画像です。
 肝下部からは音響陰影があり、胆嚢結石に伴うものと考えられ肝外胆管の全景の観察は困難ですが
 上部胆管を観察しただけでも胆管壁に異常があることには気が付きます。


 右上の画像は肝外胆管を中心に画像を大きく拡大した画像です。
 胆管壁が肥厚しているのが明瞭に観察されています。
 画像には表示されていませんが、このとき計測されている胆管壁の厚さは約1.5mmでした。


 胆石、胆嚢炎も否定できない画像なので、胆嚢の壁肥厚は胆嚢炎によるものかも知れず
 原発性硬化性胆管炎による変化かどうかの鑑別は困難ですが、
 結石を認めない拡張していない胆管壁がここまで肥厚するのは異常だと判断できます。


  「胆嚢結石(+) 胆嚢炎疑い
      また、肝外胆管の壁肥厚を伴っており鑑別として原発性硬化性胆管炎があげられる」

 という超音波検査の結果になりました。



 後日、この患者様に対して胆嚢摘出術が行われました。
 術後の病理結果によると、
 胆石、胆嚢炎による変化と別に、標本内に炎症性細胞と繊維性肥厚が観察され
 原発性硬化性胆管炎も併発していると判断されました。