超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 膵臓
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  40歳 男性


  会社の検診で行われた血液検査で膵酵素異常の指摘を受け、
  精密検査目的で当院に紹介となった患者様です。


  当日の予定として、「血液検査」、「CT」、「腹部超音波検査」の予定が入っていましたが、
  患者さまが超音波検査に来た時点で、他の検査は行われていませんでした。


  検査前に患者様にいくつか質問をしました。
  聞いた話では、会社検診で精密検査を受けてくださいと言われたが、
  腹痛等の自覚症状は全く無く、なんで精密検査を受けなければならないのか、
                                その理由も良く判らないと言っていました。




 超音波検査の依頼目的が「膵酵素異常精査目的」でしたので、膵周囲を注意して観察しようと思っていたところ
上のような膵の超音波画像が得られました。


膵頭部は約31mm、膵体部で約17mm、膵尾部は明瞭に描出されませんでしたので計測していません。
膵体部に観察される主膵管は約1.3mmでした。
(脾門部から観察しても膵尾部は明瞭に観察されませんでしたが、
          膵実質は膵頭部、膵体部、膵尾部に関わらず均一に変化しているように観察されました。)


超音波上、膵実質のエコーレベルはやや低く、膵周囲は軽度の凹凸が認められています。
少なくても膵頭部、膵体部の軽度の腫大が認められ、主膵管の拡張は認められませんでした。


続いて、膵臓を短軸で観察しました。



2つの画像のうち、左の画像は普通に観察した画像で、右の画像はプローブにて圧迫しながら撮影した画像です。


圧迫に伴い、膵の形状の変化が認められていますが、
正常の時との大きさを比較すると約0.3mmの変化しか認められていません。


通常、膵にプローブの圧迫を加えると、明瞭な形状の変化が認められますが、
この症例の場合、炎症を伴っているために、膵は通常の弾性度を失っていると考えられました。



  ・ 膵頭部、膵体部の軽度の腫大が認められる。(膵尾部は計測していないが軽度の腫大がありそう)
  ・ 膵実質のエコーレベルの軽度の低下が認められる。 
  ・ 膵辺縁には軽度の凹凸が認められている。
  ・ 主膵管の拡張は認められない。
  ・ 膵に圧迫を加えて観察しても、その形状に明らかな変化は認められない。



 膵周囲に明らかな浸潤液や仮性膵嚢胞などの所見は認められませんでしたが、
血液検査で、膵酵素異常を指摘されている事と合わせて考えても、急性膵炎に伴う所見と考えられました。