超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 膵臓
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  68歳 女性


  約3ヶ月前から腹部の鈍痛を感じていたが、なかなか痛みがとれないという事で
  外来を受診された患者様です。
  「心窩部痛、上腹部スクリーニング」ということで、腹部超音波検査を行うことになりました。




 肝臓から観察し始め、胆嚢、腎臓、脾臓、と観察しましたが、
 肝嚢胞があるくらいで、特に腹痛の原因となる異常所見は認められませんでした。
 最後に膵臓を観察し、得られた画像が上の画像です。



 膵は全体的に軽度萎縮しているような印象を受けました。
 また、軽度ですが膵辺縁の凹凸も観察されています。





主膵管を観察してみると、明らかな拡張は認められませんが、凹凸を伴って膵頭部から膵尾部まで
連続して観察されました。
主膵管を計測している画像は載せていませんが、膵頭部で約2.5mmでした。



「慢性膵炎を疑ってもいいかもしれないけど、画像所見としては弱いなぁ」と思っていました。
この検査の時点では血液検査の結果も出ておらず、何かもう少し情報がないか
しつこく観察していると、あるこに気が付きました。





膵尾部にエコーレベルの高いモノが写っていることに気が付いたのです。
大きさは約4mm、膵石の可能性があります。
脾臓側からも膵尾部の描出を試みましたが、観察できませんでした。



あまり、有意な所見が出ているわけではありませんが、他に異常所見も認められず
鑑別診断として頭の中に慢性膵炎がありましたので、
「膵は軽度萎縮しているように観察され、主膵管はやや凹凸を伴い、膵尾部に石灰化を疑う高エコーを
認めることから慢性膵炎が鑑別にあがります」 と報告しました。



その後、血液検査でもアミラーゼが軽度上昇しており、超音波所見と一致する事から
慢性膵炎と診断されました。