超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 膵臓
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  59歳 男性


  飲酒暦が長く、以前から肝機能障害、アルコール性肝硬変を疑って経過観察されている患者様です。
肝臓は典型的なアルコール性肝硬変の所見を示しましたが、今回肝についての画像は省きます。





 上の写真は膵臓を観察した画像です。
膵実質は萎縮し、そのエコーレベルは不均一に描出されています。
また、主膵管は拡張し、その辺縁は軽度の凹凸が観察されていて、慢性膵炎が疑われる所見です。








 もう少し観察を続けると膵頭部に限局して低エコーで描出される領域を見つけました。

     ← 左画像での限局した低エコー部分はここです。
     ← 右画像での限局した低エコー部分はここです。

        一度クリックすると、限局した低エコー部分を示す枠が表示され
        もう一度クリックすると、枠が消えます。



 低エコー部分は、境界不明瞭で、内部は不均一に描出され、エコーレベルは膵実質よりやや低エコーです。
 (静止画でみるとあまり腫瘤性病変のようには見えませんが、実際にリアルタイムで観察していた時には
                          膵実質と区別された低エコー領域であるように観察されていました。)



 腫瘤は膵頭部にありながらも主膵管の拡張は軽度で、膵内を走行する門脈も正常でに観察され、
 膵実質から浸潤しているような所見も認められないので、悪性病変は否定的です。


 慢性膵炎が存在していることからも、腫瘤形成性膵炎が最も疑われました。



超音波検査から数日後、膵頭部の低エコー領域に対して「腫瘤性病変否定目的」でCT検査が行われました。




 左は造影早期相、右は平衡相の造影画像です。

いずれの画像でも、明らかな腫瘤様陰影は認められていません。
MRの検査も行われていましたが、明らかな腫瘤性病変は認められず、慢性膵炎、腫瘤形成性膵炎が
確定診断となった症例です。