超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 腎臓
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   腎皮質のエコーレベルが上昇する事が多い。(逆肝腎コントラスト)


   腎の大きさは腫大することが多いが、正常範囲内である場合も少なくない。
        特に腎の短軸像では正常よりも円形に近い形状で描出されるようになることが多い。






  急性腎不全とは、急速な腎機能低下によって老廃物の排泄、水電解質調節、酸塩基平衡維持などが
傷害された状態のことをいう。
腎機能低下の原因により、腎前性(腎への血流の途絶)、腎性(腎の機能の喪失)、腎後性(尿路系の閉塞)
の急性腎不全に大別される。


腎前性 体液量減少 出血、脱水 (下痢、嘔吐、利尿薬)、熱傷
心拍出量減少 うっ血性心不全、心筋梗塞、重症不整脈、心タンポナーデ
有効循環血漿量減少 肝腎症候群(肝硬変、劇症肝炎)、ネフローゼ症候群、
腹膜炎、膵炎、イレウス
末梢血管拡張 敗血症(エンドトキシンショック)、アナフィラキシーショック
腎血管収縮 肝腎症候群
腎性 血管障害 血管炎(結節性動脈炎、Wegener肉芽腫症)
腎動脈閉塞(血栓、塞栓、解離性大動脈瘤)
播種性血管内凝固症候群、溶血性尿毒症症候群
血栓性血小板減少性紫斑病、悪性高血圧
糸球体障害 急性糸球体腎炎
急速進行性糸球体腎炎 (SLE、Goodpasture症候群)
急性尿細管壊死(ATN) 腎前性急性腎不全の持続
腎毒性物質:抗生物質(アミノグリコシド系、セファロスポリン系
               ペニシリン系、アンホテリシンB、等)
        シスプラチン、重金属(水銀、鉛、カドミウム)
        造影剤、溶血によるヘモグロビン(不適合輸血など)
        横紋筋融解によっるミオグロビン
高カルシウム血症
急性間質性腎炎 薬剤性(抗生物質、アロプリノール、消炎鎮痛剤)
急性腎盂腎炎
腎後性 腎乳頭壊死 鎮痛薬濫用(非ステロイド性消炎鎮痛薬、フェナセチン等)
糖尿病による尿路閉塞、腎盂腎炎
両側尿路閉塞 両側尿管結石カントン、後腹膜線維症、骨盤内悪性腫瘍
下部尿路閉塞 前立腺肥大、尿道狭窄、神経因性膀胱


 急性腎不全は上記の表のように、その原因が多岐にわたっており、
原因やその経過などによって、急性腎不全の超音波画像は異なる。


しかし、急性腎不全では、腎が不全状態になってからそれ程時間の経過が無い為、
腎の萎縮が観察される事はほとんど無く、急性腎不全を発症する原因によって違いがあるが、
腎の大きさは、正常と変わらないか、腫大する傾向にある。


また、腎不全状態に陥ると腎皮質のエコーレベルは上昇し、
逆肝腎コントラスト(肝実質エコーレベルよりも腎皮質エコーレベルの方が高エコーになる)が観察されることが多い。


急性腎不全の超音波画像としては、この2つの所見が特徴ではあるが、
腎の炎症性疾患でも同様の所見が観察される事があり、
また急性腎不全でも必ず観察される所見という訳でもないので
超音波画像だけで急性腎不全を断定する事は困難な場合が多い。






    腎前性急性腎不全が疑われた症例

    腎前性、腎性腎不全が疑われた症例

    腎前性の急性腎不全

    腎性の急性腎不全

    分類不能な急性腎不全