超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 腎臓
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  70歳 男性


 以前から常染色体優性多発性嚢胞腎を指摘されている患者様です。
 加齢とともに徐々に腎機能が悪くなり、「透析を導入するかどうか」というところまで病態が進行した状態で
 行われた腎臓の超音波画像です。






 両側腎臓ともに、多数の嚢胞性病変が認められています。
 逆にこの嚢胞から腎がここにあることがわかりますが、ゆっくり走査しても、腎盂、腎杯といった構造物は
 わからない状態になっています。


 両側腎の大きさは、コンベックスのプローブの観察範囲を超える大きさの為に計測できません。
 血液データ上から、慢性腎不全に陥っていることは明らかでしたが、
 超音波上は多数の嚢胞性病変の観察しかできないために、慢性腎不全であるかどうかの鑑別は困難です。



 また、常染色体優性多発性嚢胞腎の場合、腎細胞癌のリスクが高まるので
 嚢胞様病変内部に隆起性病変(腎細胞癌を疑う所見)が無いかどうかを検索しなければなりません。



 この患者様の場合は、腎細胞癌を疑うような所見は認められませんでした。



 超音波上、腎不全の評価は困難である為に
 レポートには常染色体優性多発性嚢胞腎があること、腎細胞癌は認めないこと、を記載し
 腎不全の評価については記述しませんでした。