超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 腎臓
 まず、はじめに
 超音波検査の基礎
 検査の進め方
 正常例の画像
 実際の症例
   上腹部領域
       肝臓
       胆嚢
       膵臓
       腎臓
       脾臓
       その他
   下腹部領域
   乳腺領域
   頚部領域
   四肢領域





  


 64歳 男性


  「人間ドック」で腹部超音波検査を受けられた患者様です。
 数年前に当院の近くに越してきた患者様らしく、今まで当院を受診したことはありませんでした。
 ですから、実際に検査した時は何の情報もありませんでした。




 検査を進めていくうちに、一つ気になった事がありました。


右腎と肝臓の間(モリソン窩)が広い気がします。
通常、右腎と肝は接するように観察されると思います。











さらにプローブを下げて右腎を中心に観察しようとして
得られた超音波画像です。


腎下極のあたりが綺麗に描出されず、
画像の右下に向かって伸びているように感じました。


イメージとしてはこんな感じです。

 
クリックしてみて下さい、もう一度クリックすると消えます。





 右腎の下極がよく観察できないので
次にプローブの位置を臍の方に移動して観察してみました。


すると、やっぱり腎の下極が綺麗に描出されません。


そして、やっとここで気が付きました。
「馬蹄腎」かもしれない・・・ と。








今度は臍の右側と左側で観察した横走査の画像です。
消化管のガスをよける為に少し強めの圧迫を加えながら観察している為、下大静脈はつぶれてしまって
観察されていませんが、椎体と大動脈は明瞭に観察されています。


椎体と大動脈の前面に連続する腎皮質が観察されています。
また、腎皮質に囲まれるように中心部には高エコー領域が認められており、腎盂が存在しているのがわかります。




 最後に左腎も確認しましたが
やはり腎下極は不明瞭に観察されます。


典型的な馬蹄腎の超音波所見です。











他に明らかな異常所見も認められなかったので、検査を終了しようとしたところ、患者様がこう言いました。

「そういえば、前にかかりつけだった医者に馬蹄腎だと言われたなぁ」と。


もう少し早く言ってくれれば良かったのに・・・。