超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 腎臓
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   腎細胞癌は被膜を認め、膨張性の発育を示す事が多く
    その発育形態のため、腫瘤周囲に低エコー帯(halo)を認める場合がある。


   内部エコーは腎細胞癌の組織構築を反映して高~低エコーレベルまで様々な形態を示す。


   腎細胞癌は比較的血流を豊富に認める腫瘤であり、腎の正常血管とは明らかに走行する方向が
    異なるので、ドプラにて腎細胞癌の形態を把握しやすい場合がある。


   進行した腎細胞癌では、腎静脈から下大静脈にかけての腫瘍塞栓、
     リンパ節転移、肝や副腎への転移が見られることがある。







 成人における腎の充実性腫瘤の約80%は腎細胞癌っであると言われている。


臨床症状として、血尿、腎部腫瘤触知、腎部疼痛の3つが代表的な特徴とされているが、
こられ3つが全て揃って認める時は、かなり進行した腎細胞癌の可能性が高く予後も悪い。


はっきりとした自覚症状が少ない場合が多く、画像診断の場合
超音波検査やCTなどの他の目的にて行われた腹部検査で腫瘤を指摘される場合も少なくない。


特に超音波検査の場合での腎細胞癌診断の正診率は、
従来の排泄性尿路造影による正診率を上回ると言われており
腎細胞癌における腹部超音波検査の意義は大きいといえる。




腎細胞癌は近位尿細管上皮由来の悪性腫瘍で、病理組織学的には線癌である。
被膜を持ち膨張性の発育を示す事が多いため
腎細胞癌に圧排された正常腎組織は繊維化をきたし、
超音波上ではこれが繊維性被膜(halo)として観察される事が多いが、まれにびまん性浸潤の形態をとる場合がある。


腎細胞癌の内部エコーは、一般的には腎の正常組織と等エコーレベル~低エコーレベルが多いといわれているが
径3cm以下の腎細胞癌の半数以上が高エコーレベルで描出されるという報告もある。
つまり、腎細胞癌は高エコーレベル~低エコーレベルまで様々なエコーレベルで描出される。


腎細胞癌は大きく成長するに伴い、その内部では液状壊死、出血性変化、嚢胞形成、などの変化が起こりやすく
超音波検査でこれを観察すると、高エコーから低エコーが混在した不均一な腫瘤として描出されることが多い。
特にBモード上の超音波所見として、腎細胞癌は腎血管筋脂肪腫と類似した超音波所見で描出されることがあり
これらの鑑別は重要である。


腎細胞癌は比較的血流の多い腫瘤としても知られており、ドプラで腫瘤内の血流を観察すると
正常の腎臓の脈管の走行と明らかに違う脈管の走行が認められ、
腎血管筋脂肪腫との鑑別にも有用な手がかりとなる。


腎細胞癌が大きく成長し、腎静脈に浸潤すると、腎静脈を伝って下大静脈へ向かい腫瘍塞栓を認める場合がある。
他にも、リンパ節転移や肝、副腎、肺、骨へ好発的に転移を認めるので
超音波検査では肺、骨の転移以外は確認するべきと考えられる。






   見逃しやすい腎細胞癌

   慢性腎不全に併発した腎細胞癌

   高エコーで描出された腎細胞癌

   血管内腫瘍塞栓が見られた腎細胞癌

   常染色体優性多嚢胞腎からの腎細胞癌