超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> 腎臓
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   腎盂、腎杯、尿管、膀胱、などに存在する結石で、小さいものは高エコーの後方に
    komet-like-echo (コメットエコー)が認められ、大きいものでは音響陰影が
    認められる。


   尿流に影響の無い場所で結石が存在している場合は結石のみが描出されるが
    尿流に影響がある場合、結石の存在場所以前では尿路の拡張が認められる場合がある。




   腎盂、腎杯、尿管、膀胱、尿道に存在する結石を総称して尿路結石と呼ぶ。
 

 結石は腎盂や、片方の腎臓内に10~20ほど存在する腎杯内で発生するが、
 その多くの9割以上がカルシウム結石、1割以下が尿酸結石である。
 カルシウム結石は単純X線写真やCTでその同定は容易で、結石の周囲は不整形をしている場合が多い。
 一方、尿酸結石はCTで同定できる場合もあるが、単純X線写真では同定困難な場合が多く
 形状は類円形の場合が多い。



 尿路結石の中でも、小さな結石は無症状の場合もあるが、大きな結石に成長すると
 疼痛、尿潜血、尿路の拡張に伴う水腎症の併発、腎外へ尿がもれる尿瘤が起こる場合がある。
 また、感染を伴えば腎盂腎炎や腎膿瘍を併発する場合もある。



 腎盂、腎杯内で形成された結石で、腎臓内に留まっているものを総称して腎結石と呼ぶが、その中でも
 腎杯が憩室のように腎皮質に突出したものを腎杯憩室と呼び、結石を形成しやすく
 腎杯憩室内に結石が認められる場合、これを腎杯憩室結石と呼ぶ。
 腎杯憩室は腎盂原生嚢胞とも呼ばれ、内部に結石を伴えば腎杯憩室と判断できるが
 内部に結石を伴わない場合は、腎盂原生嚢胞と単純腎嚢胞との区別は超音波上では不可能である。



 腎盂や腎杯に多発的に結石が形成され、単純X線写真で結石の連続が鹿の角のように観察される
 結石を、珊瑚状結石(鹿の角笛状結石)と呼ぶ。



 腎盂、腎杯で形成された結石が尿路をたどり腎外へ排出されると、最初に崁頓の恐れがあるのが尿管である。
 尿管は、腎盂尿管移行部、総腸骨動脈交差部、尿管膀胱移行部の3箇所に生理的狭窄があり、
 この3箇所で結石の崁頓を起こしやすい。
 生理的狭窄に関わらず、尿管内に存在している結石を尿管結石と呼ぶ。



 尿管を通り過ぎた結石は膀胱に落ちる事になる。
 膀胱内に存在する結石を膀胱結石と呼ぶ。
 小さなものは、そのまま尿道を通って体外に排出される例もあるが、体外に排出されずに膀胱炎を起こす例もある。
 また、膀胱炎は膀胱結石の成長を促す場合があり、2~3cm程に成長すると体外への自然排出は不可能である。





   腎杯憩室結石

   腎杯憩室結石

   腎盂尿管移行部の尿管結石

   腸骨動脈交差部の尿管結石

    両側性で多発性の腎結石、尿管結石

    両側性の腎結石と尿管膀胱移行部結石の併発

   尿管膀胱移行部結石

   膀胱結石