超音波検査室 >> 実際の症例 >> 上腹部領域 >> その他
 まず、はじめに
 超音波検査の基礎
 検査の進め方
 正常例の画像
 実際の症例
   上腹部領域
       肝臓
       胆嚢
       膵臓
       腎臓
       脾臓
       その他
   下腹部領域
   乳腺領域
   頚部領域
   四肢領域










   単発性または多発する類円形状の低エコー腫瘤として描出され、
          時として嚢胞と見間違えるほど、そのエコーレベルは低い場合がある。


   正常のリンパ節ではリンパ節門にのみ、流入、流出する血流信号が認められるが
          悪性リンパ腫では腫瘤の他方向から流入する血流信号が認められる事がある。


   脾腫を伴う例が多く、また脾内にも病変を生じやすい。


   脾内に病変が存在する場合、
          線状または塊状の内部エコーの不均一な腫瘤として描出される場合と
          びまん性に浸潤し、脾腫を伴い脾臓全体が低エコーに描出されるが
          明らかな腫瘤像が観察されない場合とがある。


   脾臓内に観察される悪性リンパ腫では、腫瘤の中心にやや高エコーな
          部分が認められる場合があり( target pattern )、悪性リンパ腫の特徴的な所見である。


   腹部で悪性リンパ腫が多発して観察される例では、リンパ節の腫大に伴って腹部大動脈が
          前方へ持ち上げられて観察されることがあり、 floating aorta sign と呼ばれる。






   悪性リンパ腫はリンパ組織より発生する腫瘍の総称であり、免疫に関与する細胞が増殖して
  腫瘤を形成する悪性腫瘍をいう。



  免疫に関与する細胞の中の代表であるリンパ球は骨髄の造血幹細胞に由来し、中枢、次いで
  末梢リンパ組織で成熟する。
  悪性リンパ腫はこれら全ての分化熟成過程で発症する可能性を持つ。



  骨髄で発症する前駆細胞型リンパ系腫瘍は急性リンパ性白血病の形態をとり、
  胸腺から発症する未熟型T細胞腫瘍は早期に白血病型となる。



  末梢リンパ組織で腫瘤を形成する成熟型BまたはT細胞腫瘍が、いわいる悪性リンパ腫を意味し、
  超音波検査や、その他の画像診断で描出される悪性リンパ腫はこの型である。



  末梢リンパ組織には臓器としての脾臓がある他、皮膜を持たないリンパ装置が全身に配置されている為、
  悪性リンパ腫は身体のどこで発症してもおかくしはない。



  腫瘤を形成した悪性リンパ腫は、正常例で観察されるリンパ節とは形態の違いが認められる。
  超音波検査で、正常リンパ節はリンパ節門を有する扁平な形状を示すのに対して、
  悪性リンパ腫では、類円形のリンパ節門を持たないリンパ節が観察される。



  正常例ではリンパ節門にしか血流信号が認められないのに対し、
  悪性リンパ腫は他方向からリンパ節に流入する血流信号が確認できる。
  腫瘍のエコーレベルは極端に低下し、一見嚢胞と見間違える事もあるほど低い。



  また腹部に悪性リンパ腫が多発して観察される症例では、腫大したリンパ節に伴って
  腹部大動脈が前方に持ち上げて観察されることがあり、floating aorta sign と呼ばれる。



  悪性リンパ腫は脾臓にも病変として観察される事がしばしば認められるが、脾臓のみに病変が認められる
  脾臓原発例は少なく、腹部大動脈周囲や腸間膜リンパ節の腫大などが付随する事が多い。



  脾臓に認められる悪性リンパ腫は、脾腫を伴う例が多く
  境界は不規則で内部エコー不均一な、線状または塊状に成長した腫瘍として描出される場合と
  脾臓内にびまん的に浸潤して、脾臓全体が低エコーに観察され、腫瘤が認められない場合とがある。



  脾臓内に腫瘤として描出される悪性リンパ腫では、
  腫瘍の内部に高エコーの部分が認められる事があり、target pattern とよばれ悪性リンパ腫の特徴といえる。





   脾内腫瘤を伴う典型的な悪性リンパ腫