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 19歳 男性


 休日に自転車に乗っていているところをバイクに当て逃げされた患者様です。
事故当時、救命外来にかかり単純エックス線撮影やCT検査が行われましたが、
特に大きな外傷性病変は認められなかったので、そのまま帰宅しました。


翌日の月曜日に外来にやってきた患者様は左腰部の痛みを訴えていたそうです。
先日、CTを撮影し特に問題が無かったため、本日はCTより先に超音波検査が行われることになりました。


外傷後で明らかな骨折は無く、1日経過してから痛みが出現しているということなので
検査前からどこか出血点があるのではないか、と疑われました。


痛みを訴えている場所にプローブをあてると以下のような画像が得られました。




 腸腰筋に明らかな左右差が認められます。
痛みに一致する場所で、腸腰筋内部に低エコーで描出される結節様の陰影が認められ、
周囲の腸腰筋は肥厚し、そのエコーレベルは淡く上昇しています。




 腸腰筋内の病変部にドプラをあててみましたが、異常な血流信号は認められませんでした。


先日の交通外傷ということなので、腸腰筋内に限局する出血と考えれば
出血に伴い炎症が起こり、エコーレベルが淡く上昇し、腸腰筋自体は肥厚している
と考えると画像所見と一致します。




 外傷15日後、follow up で撮影された超音波画像です。



 初めて撮影された外傷1日後の超音波画像と比較すると、
病変部の大きさは縮小し、腸腰筋自体の肥厚やエコーレベルの上昇も認められません。
明らかに改善し、炎症が治まったと考えられます。