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 83歳 女性

 上部内視鏡検査にて、胃粘膜下腫瘍を指摘されて超音波検査を施行された患者様です。



 指摘された胃粘膜下腫瘍の画像です。






 上部内視鏡では、胃体部から胃前庭部にかけての前壁に粘膜下腫瘍が認められます。
 大きさはそれほど大きくありませんが、典型的な粘膜下腫瘍として観察されています。



 通常ならば、肝臓から観察を開始するのですが、
 超音波検査の依頼表には「胃粘膜下腫瘍精査目的」とありましたので
 胃を同定しながら、胃体部から胃前庭部を集中して観察したところ、下の画像が得られました。



 




  肝左葉と胃体部の間に腫瘤が認められます。



  表在に近いので、きれいに描出されていませんが、
  内部は無エコーで類円形、血流信号も認められず
  皮膜は薄い腫瘤です。



  肝と連続しているように観察され、hump sign を示す
  肝S2の嚢胞と考えました。




 超音波上で計測した大きさと、内視鏡で指摘されている粘膜下腫瘍の大きさもほぼ一致し、
 その腫瘍によって胃粘膜が圧迫され大きくゆがんでいるのが良くわかり、
 胃粘膜下腫瘍の正体であると考えられました。



 超音波検査後に行われたCTの画像です。



  単純CTと造影CTの 7mm/7mm の画像です。



  CT画像上だと腫瘤に造影効果があるのかどうか、いまいちよくわかりません。
  一応、CT上でも肝嚢胞が疑われていますが、今回の症例では超音波検査が鑑別診断に特に有用であった
  と考えられます。



  症例の分類としてはこの症例は肝嚢胞に入るのですが、
  依頼内容が「胃粘膜下腫瘍精査」という事だったので、別途紹介しています。