超音波検査室 >> 実際の症例 >> 下腹部領域 >> 腸管
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 11歳 男性


 小学校に通う男児です。
 数日前から腹痛を訴えていたが、腹痛が軽度だったこともあって自宅で経過観察していたが
 翌日になっても腹痛は軽快していなかったそうです。
 学校から帰ると、さらに強い腹痛を訴えるようになっており、当院の外来を受診された患者様です。






回盲部周囲には複数の腸間膜リンパ節の腫大
が観察されました。


最大径は20mmを超えています。










盲腸や上行結腸、回腸末端に異常は認めず
虫垂も比較的簡単に描出できました。


 虫垂は明瞭に層構造が確認できます。
粘膜、粘膜下層の厚さは一定に保たれ
粘膜面も平滑に観察されています。


虫垂根部から総腸骨動脈までの虫垂の観察では
異常所見は認めていません。



さらに虫垂の先端部を探し進めていくと
最大径約15mmの結石が描出されました。


良く観察すると、
結石は虫垂の内腔に存在しているように
観察されます。






結石よりさらに先端部を観察すると
著明な虫垂先端部の肥厚が観察されました。


壁は菲薄化していますが、穿孔を疑う所見はなく
内腔には膿瘍と思われる低エコーで描出される液体が
貯留しています。


結石の崁頓(かんとん)による先端部に限局した
急性虫垂炎の所見です。









虫垂径は最大で約11mm、虫垂周囲の脂肪組織がびまん性にエコーレベルの上昇を認めていて
脂肪組織へ炎症が波及している様子が明瞭に観察されています。


虫垂層構造の途絶は認めませんが、層構造は明瞭に観察されず菲薄化していることから
蜂窩織炎性よりも壊疽性の急性虫垂炎が疑われる所見だと思います。



超音波検査の直後に急性虫垂炎疑いで緊急手術が行われ
病理の結果も先端部に限局した壊疽性の急性虫垂炎で、虫垂結石が崁頓(カントン)していたようです。