超音波検査室 >> 実際の症例 >> 下腹部領域 >> 腸管
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 11歳 男性


 小学生の男の子です。
 週末頃から腹痛を訴えていたが、家族旅行にでかけて腹痛は我慢していたそうです。
 月曜日の朝、学校に行けないほどの腹痛を訴え、学校を休み当院を受診された患者様です。


 臨床症状から急性虫垂炎が疑われ、すぐに腹部超音波検査が行われたため
 血液検査の結果は出ていない状態での超音波検査となりました。



 検査時、痛みは右下腹部に限局していて、最も痛みが強い部分にプローブを当てると
 すぐに虫垂が描出されました。
 最初はリニアのプローブで観察を始めましたが、プローブでの圧迫を加えると痛みが強いために体動が激しくなり
 虫垂の観察が困難だったため、コンベックスのプローブに持ち替えて検査を行っています。


 虫垂根部の最大径は約6mm、虫垂の中央部に結石と思われる高エコー病変を認め音響陰影を伴っています。
 その結石より末梢側の虫垂では著明に腫大が認められ、最大径は約11mmで観察されました。


 虫垂壁の層構造は不明瞭で連続性が確認できず、内腔に膿瘍と思われる不均一な領域を認めています。
 虫垂周囲の脂肪組織は淡くエコーレベルの上昇を認め、炎症の波及を伴っており
 虫垂周囲に存在する空腸の壁肥厚も観察され、他の腸管まで炎症は進んでいると考えました。


 虫垂の状態から少なくても壊疽性虫垂炎以上であると判断しましたが
 虫垂周囲やダグラス窩に明らかな液体貯留は認めず、急性虫垂炎(壊疽性虫垂炎疑い)として
 検査を終えました。


 手術の結果、虫垂先端部に穿孔が認められ術後診断は穿孔性虫垂炎となりました。