超音波検査室 >> 実際の症例 >> 下腹部領域 >> 腸管
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 13歳 男性


 中学校に通う男の子です。
 日曜日の昼あたりから腹痛を自覚し始めたが、予定があり放置していた。
 月曜日の午後、昼食をとり、学校で運動をしていたところ、走れないくらい腹痛が増強し
 当院を受診された患者様です。


 症状から急性虫垂炎が疑われ、超音波検査を行うことになりましたが
 採血をしてそのまま超音波検査にやってきたので、血液検査のデータはまだ出ていませんでした。





 回盲部を観察すると、比較的容易に虫垂は描出できました。



 虫垂は内腔が拡大しているようで、内部は液体の貯留が認められ
 結石のような高エコー病変を伴っています。
 結石と思われる高エコー病変は、虫垂内腔よりも小さく圧迫や体位変換で移動しそうでしたが
 結局、検査中に結石の移動を確認することはできませんでした。


 このことから、虫垂内腔に貯留している液体は粘稠度が高いことがわかり
 通常の分泌物のようなものではないと考え、内腔に膿瘍のようなものが貯留していると予想しました。


 虫垂の層構造は明瞭に観察されていますが、一部で粘膜面が不整になっているように観察され(画像左上)
 一部では虫垂壁が菲薄化(画像左下)しているように観察されました。


 回盲部周囲に複数の腸間膜リンパ節の腫大が観察されており、炎症があることは間違いなさそうです。


 虫垂径は最大で約7mm、虫垂径からの判断基準でいくと「カタル性虫垂炎」になりますが、
 虫垂粘膜面の不整な所見や、虫垂粘膜面の一部の菲薄化を考慮し
 急性虫垂炎(蜂窩織炎性)疑い、として報告しました。



 術後の病理の結果は、蜂窩織炎性の虫垂炎でした。
 超音波の所見と同様に、散在して粘膜面の不整化、菲薄化、が認められていたそうです。