超音波検査室 >> 実際の症例 >> 下腹部領域 >> 腸管
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 67歳 男性



  既に「主症状」である、口腔粘膜の異常からベーチェット病を疑われて入院していた患者様です。
  入院数日後に腹部痛が出現し、腸管型ベーチェット病の疑いで超音波検査を施行することになりました。



  「まず、上行結腸を同定してから回盲部を走査しよう」と思った私は、右側壁から走査を行いました。



  すると、明らかにエコーレベルが低下し異常な肥厚を認める上行結腸が認められました。
  ここまで、全周性に肥厚していると画像に描出するのも、それほど難しくありませんでした。



  上行結腸の著明な肥厚を観察した後に、プローブを横にして回盲部の走査を行いました。



  回腸末端も著明な肥厚を認め、通常の腸管と比べて非常に描出が容易でした。



  ここまで、著明に観察できれば典型的なベーチェット病の画像が得られるだろうと思い、
  潰瘍を探してみましたが、腸管ガスも腸管壁に沿って高エコーで描出されている為、
  潰瘍を同定することはできませんでした。



  下の画像は回盲部周囲の腸間膜リンパ節の画像です。





  腸管を同定しようとしているときから、チラチラと目に付いて仕方がないくらい沢山のリンパ節が腫大していました。



  以上の所見と、もともとベーチェット病が疑われていた事から、
  報告書には「腸管型ベーチェット病疑い」と書きました。
  ( 潰瘍が同定できないので、疾患名も「疑い」にせざるをえません )



  結構著明な、しかも典型的なベーチェット病の症例だとは思うのですが、このくらいの症例でも
  腸管の潰瘍を同定するのは困難でした。





  上の写真は、超音波検査が施行された数日後に行われた内視鏡の画像です。



  内視鏡では異常に膨隆した腸管壁と、多数の潰瘍が映し出されていました。



  この写真をみると、超音波で描出できてもいいくらい大きい潰瘍なんですけどね~
  なかなか難しいもんです。