超音波検査室 >> 実際の症例 >> 下腹部領域 >> 腸管
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   腸重積が起こっている場所を短軸で観察すると、target sign = multiple concentric ring sign
    が観察される事が多い。これは腸管内に別の腸管が入り込んだ状態を反映した超音波画像である。


   腸重積を起こしている周辺の腸管壁は浮腫により肥厚して低エコーレベルで観察される事が多い。


   小児の腸重積症では、回盲部が好発部位である。





 腸重積症はある部分の腸管で、その部分よりも肛門側の隣接する腸管が「かん入」した状態をいう。



 その95%以上が3歳前後までの小児に発症し、大人に発症するのは比較的稀である。
 小児の急性の腸閉塞では、その原因となる最も多い疾患に腸重積症があげられる。



 小児の腸重積症の場合は臨床症状として、腹痛、嘔吐を起こす例が多く
 腸重積が起こっている位置に一致して軟らかい腫瘤が触知でき、
 イチゴゼリー様の粘血便が認められることが多い。



 小児の腸重積症の男女比は 男:女=2:1といわれており
 好発部位としては回盲部が有名であるが、回腸~結腸、回腸~盲腸の重積が最も多く
 小腸~小腸、結腸~結腸の重積は稀とされている。
 超音波検査では、重積範囲がどこからどこまでなのか確認する事が重要になる。



 また、腸重積を起こしている部分を「輪切り」になるように短軸で観察すると、
 複数の大きさの違うリングのように観察される事が多く、これを target sign といい
 腸重積症の典型的な超音波画像である。



 その target sign の腸管と腸管の間に液体貯留が観察される場合や、ドップラーで腸管壁に血流信号が
 認められない例では、腸重積によって腸管壁の虚血が起こっている場合が多く
 整復不能な場合が多いとされている。



 成人の腸重積症も稀に発症するが、小児の腸重積症と違う点がいくつかある。



 まず、発症部位に関して、好発部位は存在しない。
 どこに発症しても良いと考えられている。



 というのも、成人の腸重積症ではその発生原因として、
 腸管に存在しているポリープ、腫瘍、腸炎、憩室、瘢痕などがあげられ、
 それらが存在している部位で、腸重積を併発する可能性があると考えられているからである。





    救命外来から依頼された腸重積症

    腸重積症の典型例

    成人における腸重積症