超音波検査室 >> 実際の症例 >> 下腹部領域 >> 腸管
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 33歳 男性



 腹部膨満感、嘔吐、の為、消化器内科を受診された患者様です。
 まずは上腹部の走査を行いましたが、肝臓に複数の嚢胞が認められるくらいで
 そのほかには明らかな異常所見は認められませんでした。



 主訴に嘔吐という事もあり、依頼表には「消化管を含めた下腹部もお願いします」
 と記載されていました。



 とりあえず、膀胱などの下腹部臓器を走査しましたが、異常所見は認められず
 最後に胃から観察可能範囲で腸管を観察することにしました。



 すると、下行結腸周囲で以下のような超音波画像が得られました。





 これまで胃から順番に消化管を観察してきて、はっきりとした異常は認められませんでしたが、
 下行結腸の下部周囲で「なんかおかしいな。」という印象を受けました。



 この状態からプローブを90°回転させて観察したのが下の超音波画像です。






 典型的な target sign が得られてしまいました。



 33歳の成人だったので、腸重積症は頭の中に全く無かったのですが、target sign が観察されては仕方ありません。
 成人の腸重積症は、解説でも書きましたが非常に稀だそうです。



 この後、この患者様は入院になったのですが、数日でイレウス状態になり
 手術で重積部分の整復をしています。



 成人の場合、腸重積には腸重積を引き起こす異常がある場合がほとんどですが
 この症例では、後で行われた内視鏡で重積部分に複数の潰瘍が認められたそうです。