超音波検査室 >> 実際の症例 >> 乳腺領域 >> 乳腺
 まず、はじめに
 超音波検査の基礎
 検査の進め方
 正常例の画像
 実際の症例
   上腹部領域
   下腹部領域
   乳腺領域
       乳腺
       その他
   頚部領域
   四肢領域













   形状は典型例で円形ないしは楕円形だが、分葉状を示すものも少なくない。


   内部エコーは低エコーで均一、後方エコーは不変もしくは増強する。
    また側方エコーが観察される場合も多い。


   縦横比の低い腫瘤として観察される場合が多く、縦横比が0.8を超えることは少ない。



   特徴的なポップコーン様の粗大石灰化を伴う事があり、これを見つけられれば超音波検査で
    線維腺腫を断定する事ができる。



   一言で線維腺腫といっても、その臨床像の幅は広く、典型例に観察されない線維腺腫も
    数多く存在する。
    悪性腫瘍や浸潤癌との鑑別が困難な線維腺腫も少なくはない。




  線維腺腫は小葉の疾患で、小葉内の上皮細胞と結合組織細胞がクローン性に増殖したものである。



  線維腺腫は、小葉間間質と細乳管が同時に増殖した線維腺腫様過形成 ( fibroadenomatoid hyperplasia )が
  まとまり、癒合することで腫瘤を形成する。



  線維腺腫の好発年齢は若く、最も発生頻度の高い年齢は15~30歳で、50歳以上での頻度は低く
  良性腫瘍の中では最も発生頻度が高い。



  線維腺腫はしばしば多発性、両側性に認められることがあり、若年者に認められる線維腺腫は
  妊娠などの状況によりしばしば巨大化する。



  線維腺腫は組織学的に4つに分類され以下のようになる。

        線維腺腫の組織学的亜型分類
 管内型 intracanalicular type
 管周囲型 pericanalicular type
 類臓器型 organoid type
 乳腺症型 mastopathic type



  超音波検査では、線維腺腫は最も遭遇する頻度は高い。



  典型像では、円形もしくは楕円形を示し、境界明瞭、辺縁平滑で、低エコーで均一な内部エコーを示す。
  後方エコーは不変もしくは増強し、側方エコーが観察される事もある。
  縦横比は0.8以下のものが多く、特に0.6以下の縦横比を示すものは悪性腫瘍の可能性は非常に低い。



  線維腺腫では、腫瘤内部にしばしば石灰化を伴う。
  石灰化が小さいときは悪性腫瘍の石灰化との鑑別は難しいが、
  線維腺腫の石灰化は特徴的に大きくなることがあり、ポップコーン様の粗大石灰化を示し
  これが観察できれば、石灰化の存在から線維腺腫を指摘できる。



  線維腺腫の典型例では、慣れれば比較的鑑別は容易であるが、
  典型例でない線維腺腫が少なくないのも、線維腺腫の特徴である。



  形状が分葉状を示したり、内部エコーが不均一だったり、微細石灰化を数多く伴っていたり・・・
  時として、境界が不明瞭に観察される事もあり、超音波検査だけで鑑別不可能な症例も少なくない。



  線維腺腫をほぼ鑑別できるようになれば、乳腺超音波検査のプロフェッショナルと言っても
  過言ではないと思います。



     線維腺腫の典型例