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   拡張した乳管が集合した様な像、扁平で境界不明瞭な低エコー領域の像、
    乳管内の隆起製病変、嚢胞内の隆起製病変 等、様々な像として観察される。


   病変は乳管内に限局しているので、リンパ節転移などは観察されない。


   超音波検査で描出される非浸潤性乳管癌のエコーパターンは、大別して5種類に分けられる。
        
        1、 拡張乳管集合型
        2、 扁平不整形低エコー型
        3、 乳管内腫瘍型
        4、 嚢胞内腫瘍型
        5、 充実性腫瘤型


   いずれのエコーパターンを示す非浸潤性乳管癌であっても、存在する領域は一つの乳腺葉に
    限られる為、エコー上、乳頭から放射状に領域性をもって存在する。





  「非浸潤性乳管癌」は ductal carcinoma in situ = DCIS と呼ばれる場合も多い。


  TDLU ( Terminal duct lobular unit = 乳管終末組織 )で発生した乳癌が
  乳管内だけで増殖したもので、乳管外への浸潤が無いものを「非浸潤性乳管癌」といい、
  これが乳管外への浸潤を認めると、乳頭腺管癌、充実性管癌、硬癌、のいずれかに相当する。



  非浸潤性乳管癌はTDLUから発生し浸潤を認めない為、発生したTDLUの所属する乳腺葉に留まり
  他の乳腺葉や隣接する乳腺葉に観察されることはない。
  つまり、超音波画像上では乳頭から放射状に領域性を持って存在する事になる。



  超音波上では非浸潤性乳管癌は、乳管の拡張のような無エコー部が集族した像、
  境界が不明瞭で形状は扁平な低エコーの像、拡張した乳管内に隆起した増殖性病変、
  嚢胞内に隆起した増殖性病変、等、様々なエコー像を示す。



  非浸潤性乳管癌では、乳管内進展している癌上皮の増殖形態を病理学的に6つのタイプに分類できる。
  しかし、実際の非浸潤性乳管癌内では、
  1つのタイプに分類されるものもあるが、多くはこの中で複数のtypeを同時に持つ。


   1、乳頭腺管型 papillotubular type
         乳頭線肝癌のように、がん細胞が小腺管を形成しながら乳頭状に増殖する。


   2、乳頭型 papilloly type
         乳頭状に増殖しながら血管増生を伴い、しばしば大きな腫瘤となることがある。
         嚢胞内乳頭癌はこのタイプに属する。

   3、ふるい状型 cribriform type
         充実性の癌細胞の増殖の内部で、「ふるい」のような構造を示す多数の腺管形成が認められる。


   4、低乳頭型 low papillary type
         乳管の辺縁から乳頭状の増殖病変を認めるタイプで、癌細胞の量は少ない。


   5、面疱型 comedo type
         増殖して成長した腫瘤内部に、壊死やそれに伴う石灰化がみられる。


   6、充実型 solid type
         乳管内に充実性に均一に増殖を認めるタイプ。


  


  色々な像を呈する非浸潤性乳管癌であるが、乳腺症、乳管の拡張の集合像、乳管内乳頭腫、嚢胞内乳頭腫、等
  良性疾患との鑑別は、しばしば超音波上だけでは不可能である。
  超音波検査では病変部のエコーレベルや病変の硬さ、存在する領域性などで
  非浸潤性乳管癌の可能性を探るが、微細石灰化が存在すれば非浸潤性乳管癌である可能性は高い。



  いずれにしても、超音波上で非浸潤性乳管癌は,、その存在を指摘する事はできても
  その良悪性は鑑別できない事がほとんどなので、
  上記のような病変部の情報から非浸潤性乳管癌の可能性を指摘できればよい、と考えられます。







    扁平不整低エコー型 DCIS 4症例

    乳管内腫瘍型 DCIS 3症例

    嚢胞内腫瘍型 DCIS 2症例

    充実性腫瘤型 DCIS 3症例

    拡張乳管集合型 DCIS 1症例




  最近のトピックス



  従来の考えではTDLU(終末乳管)から発生し、乳管内進展を主とした基底膜外への浸潤がないものをDCIS
  小葉内から発生し基底膜外への浸潤がないものが非浸潤性小葉癌と考えられてきました。



  ところが、最近の研究から実はこの考え方は間違えているのではないか、という説があります。



  その新しい考え方として、DCIS(乳管癌)と小葉癌の違いは発生部位ではなく、その増殖の違いである
  とされています。



  すなわち、小葉内や終末乳管など、どこの上皮細胞からでもDCISと小葉癌は発生する可能性がある
  というのです。



  この考え方は、まだ解明されきっているものではないので、今後の展開に注目です。