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乳管内腫瘍型DCIS


 症例 1    51歳 女性


  乳腺内に嚢胞や線維腺腫が指摘され、以前より follow up されていた患者様です。





  左11時方向に伸びる乳管の拡張像を認めています。
 計測された画像では乳管の最も太い部分で約3mm、長さにして約20mmと、それ程太くない乳管の拡張のわりに
 乳管の走行が不整に観察されています。
 乳管の辺縁は明らかな凹凸を示し、自然な走行ではない事は明瞭に観察できます。


 内部に血流信号や微細石灰化検出されませんでしたが、乳管内ははっきりした無エコーでは観察されず
 腫瘤性病変が存在しているように観察されます。


 乳管の走行が不整なことから DCIS の可能性もあると考えていましたが、
 小さく観察される腫瘍性病変であることから、「乳腺症疑い、DCIS否定できず」としました。


 針生検の結果、悪性腫瘍が見つかり部分切除が行われました。
 術後の病理結果は「非浸潤性乳管癌」でした。







 症例 2    43歳 女性


  会社検診にてマンモグラフィーを受けたところ、異常な石灰化の集族像が認められ
 精査目的にて乳腺超音波検査を受けられた患者様です。





 左乳頭から9時方向に約50mmにわたって観察される乳管の拡張像を認めます。
 乳管内には腫瘍性病変が観察され、その内部は不均一なエコーで描出されます。
 乳管の走行は不整で、一部に集族するように複数の微細石灰化も観察されています。


 乳管内乳頭腫の可能性もありますが、まず間違いなくDCISを疑う所見だろうと考え
 「乳管内腫瘍型DCIS疑い」としてレポートを提出しました。


 針生検で悪性病変が確認され、部分切除術が行われ、術後の病理結果は「非浸潤性乳管癌でした。」





 症例 3    43歳 女性


 以前から乳腺にしこりを感じていたが放置していた患者様です。
 しこりが徐々に大きくなっていると感じ、外来を受診された患者様です。




 一見して明らかな腫瘍性病変が観察されます。
 腫瘍自体の大きさは約24mmで、内部には微細石灰化が観察されます。
 辺縁は不整で、一部無エコー領域を伴い、乳管に連続している腫瘍のようにも観察されます。


 この超音波所見を見て、浸潤性乳管癌を疑いましたが、超音波上明らかな浸潤所見は認めませんでした。
 レポートには「浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌?)疑い」としました。


 この腫瘍はもちろん悪性のものでしたが、術後の病理の結果では乳管外に浸潤している所見は無かったそうです。
 ということで、診断は「非浸潤性乳管癌」となりました。








 乳管内腫瘍型DCIS の場合、拡張した乳管の中をよく観察することから始まります。
 まず、乳管内に無エコーで観察されない腫瘍性病変が無いかどうかじっくり観察してください。


 もし、腫瘍性病変が観察されたら、腫瘍の形状を観察し、腫瘍内の微細石灰化の有無を確認しましょう。
 乳管内腫瘍型DCISは、乳管内乳頭腫と似た超音波画像で観察されますが
 腫瘍の形状が不整であったり、腫瘍内部のエコーパターンが不均一であったり、複数の微細石灰化が観察されたり
 微細石灰化が周囲と比べて多く観察されたりすると、乳管内腫瘍型DCISを強く疑って良いと思います。


 また、拡張した乳管の壁も良く観察しましょう。
 単なる乳管の拡張や、乳管内乳頭腫では、乳管の走行が不整になることは、あまりありません。
 あっても、乳管の壁の走行は「なだらか」に観察されると思います。


 乳管内腫瘍型DCIS では、拡張した乳管の壁で不整な凹凸が観察されたり、
 乳頭近傍より末梢の方が明らかに太く拡張していたりするので、鑑別に役立つと思います。