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嚢胞内腫瘍型DCIS


 症例 1    46歳 女性


  乳腺内に嚢胞や線維腺腫が指摘され、以前より follow up されていた患者様です。




 複数観察される嚢胞の中には、嚢胞内乳頭腫と思われる(針生検もしているが悪性病変はでなかった)病変が
 多数観察されていました。


 しかし、今までの検査では観察されなかったような嚢胞内腫瘍性病変が観察されました。
 嚢胞の中には腫瘍性病変が観察されていますが、腫瘍の辺縁は不整で、嚢胞壁も不整に変化しています。
 嚢胞自体の大きさは約20×18mm、腫瘍性病変の内部は不均一に観察され、微細石灰化を伴っています。
 腫瘍性病変の嚢胞壁に接している面積も広いのが特徴的です。


 針生検の結果、悪性病変が観察され、部分切除術が行われました。
 病理の結果は「非浸潤性乳管癌」でした。






 症例 2    43歳 女性


  会社検診にて超音波検査を受けたところ、嚢胞内の腫瘍性病変が観察され
 精査目的で超音波検査を受けられた患者様です。




 右2時方向に嚢胞が観察され、内部に腫瘍性病変を伴っています。
 嚢胞の大きさは約15×10mm、内部に観察される腫瘍性病変の形状は不整で、内部は不均一に観察されます。
 微細石灰化は確認できませんでした。


 腫瘍性病変が嚢胞壁に接している面積は広く、全体の50%程度に腫瘍性病変が接している印象です。
 レポートには「DCIS疑い」としましたが、嚢胞内乳頭腫も考えられる、と記載しました。


 針生検で悪性病変が認められ、術後病理の結果は「非浸潤性乳管癌」でした。







 嚢胞内腫瘍型DCISは、しばしば嚢胞内乳頭腫との鑑別が問題になります。
 もちろん、超音波検査だけでの完全な鑑別は不可能ですが、ある程度絞り込む事は可能です。


 嚢胞内腫瘍型DCIS では、腫瘍性病変部の形状が不整、内部エコーが不均一、嚢胞壁が不整、
 内部に微細石灰化が観察される、などの特徴があります。


 また、腫瘍性病変と嚢胞壁の接している面積も注目してみてください。
 嚢胞内乳頭腫は嚢胞壁に接している面積が小さいのに対して、
 嚢胞内腫瘍型DCISでは広い範囲の嚢胞壁に腫瘍が接している傾向があります。
 これを「広基性」というそうです。