超音波検査室 >> 実際の症例 >> 乳腺領域 >> 乳腺
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充実性腫瘤型DCIS


 症例 1    42歳 女性


  患者様自身の触診にて乳腺にしこりがあることに気が付き、当院の外来を受診された患者様です。。




  左乳腺5時方向に約14×7×13mmの腫瘤が観察されています。
 境界は比較的明瞭ですrが、形状は不整形、辺縁も不整で、内部は不均一な低エコーとして描出されています。
 検査をしている時の印象としては、腫瘤は硬く、悪性病変が疑われる所見だと感じました。


 しかし、検査を進めていっても腫瘤の浸潤所見は、はっきり描出できませんでした。
 乳腺前方境界線は腫瘤によってわかりにくくなっていましたが、腫瘤に圧排されているだけかもしれないので
 指摘できず、周囲の脂肪組織への浸潤を示唆する腫瘤辺縁の淡い高エコー帯も観察されませんでした。
 乳腺所属リンパ節の異常も指摘できませんでした。


 報告書には、腫瘤の超音波所見から悪性病変が疑われる、とだけ記載し
 コメントとして、超音波上では明瞭な浸潤所見は描出されなかった、と記載しました。


 針生検にて悪性病変が疑われ、部分切除が行われました。
 術後の病理の結果でも、腫瘤の浸潤所見は確認できず、病理診断は「非浸潤性乳管癌」となりました。






 症例 2    58歳 女性


  以前から乳頭近傍にしこりを感じていたが、忙しくて放置していた患者様です。
 腫瘤触知に気が付いてから約2ヶ月で腫瘤が大きくなっているような感じがするということで
 当院の外来を受診された患者様です。




  左7~8時方向に約18×13×16mmの腫瘤を認めています。
 腫瘤は境界明瞭で、辺縁は一部不整に観察され、内部は不均一で一部微細石灰化を伴っているようでした。
 よく見ると、腫瘤は乳頭方向に伸びていて乳管内進展を疑い、浸潤性の乳管癌だろうと考えました。


 乳腺前方境界線の断裂や腫瘤周囲への浸潤所見は認めず、
 乳腺所属リンパ節への転移もはっきりしませんでしたが
 腫瘤の超音波所見から判断して、浸潤性の乳管癌疑いとして報告書を書きました。


 その後、この腫瘤に対して摘出術が行われましたが、その病理結果は「非浸潤性乳管癌」でした。
 明らかな悪性の腫瘤として観察され、乳管内進展を伴っているような腫瘤には間違いありませんでしたが
 病理結果では乳管の基底膜から外へ浸潤する悪性病変は観察されなかったようです。






 症例 3    79歳 女性


  他院マンモグラフィー検診にて乳腺内に石灰化を指摘され、精密検査目的で当院を紹介、受診された患者様です。



   右乳腺10時方向に約17×3×6mmの腫瘤が観察されています。
  境界は明瞭で平滑、分葉状、不整形ともとれる形状で観察され、内部はやや不均一に観察されています。
  左画像、腫瘤の右端には石灰化を疑う点状エコーが観察され、
  マンモグラフィーで指摘された石灰化の位置と合います。


  腫瘤のエコーレベルは皮下脂肪組織とほぼ同等で観察されており、線維腺腫なども鑑別にあがりますが
  微細石灰化が観察されることと、腫瘤の形状がやや不整形に観察されることから
  悪性病変を疑う所見として、報告書を作りました。


  当院で改めて撮影されたマンモグラフィーでも、やはり石灰化が指摘され
  針生検を行ったところ悪性病変が発見されました。
  術後病理の結果は「非浸潤性乳管癌」でした。