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拡張乳管集合型DCIS


 症例 1    44歳 女性


   以前より検診にて乳腺内に複数の嚢胞を指摘され、乳腺症の診断で follow up していた患者様です。
  1年ぶりの検診で「嚢胞にまぎれて低エコー領域がある」と指摘され、
  精密検査目的で当院を紹介受診となった患者様です。




  左乳腺2時方向に約29×13×20mmの範囲にわたって、嚢胞が集族して観察されます。
 その中心部はやや不均一な低エコーで観察され、一部石灰化を伴っているようにも観察されました。
 プローブで圧迫を加えてみましたが、形状の変化は確認できませんでした。


 この領域以外の乳腺組織内にも複数の嚢胞が観察されていましたが、嚢胞が集合している領域は無く、
 検査を実際にしていると嚢胞の集合が非常に目立って観察されました。


 もともと乳腺症が指摘されている患者様ということ、拡張乳管集合型DCISは非常に少ないと言われていることから
 乳腺症に伴う変化が考えられ、鑑別として拡張乳管集合型DCISをあげておきました。


 しかし、針生検で悪性細胞が出てしまい、この患者様は手術を受けました。
 病理結果は「非浸潤性乳管癌」でした。








  拡張乳管集合型DCISは、DCISの中でも非常に少ないタイプです。
 参考書等には載っているのですが、実際に経験したという話をほとんど聞きません。
 拡張乳管が集合しているように観察されることは少なくないのですが、そのほとんどが乳腺症だったので
 このような画像を見たら、まず乳腺症を疑い、鑑別としてDCISをあげておく、と考えていました。


 今回の症例も、完全に乳腺症を疑っていました。
 一応DCISの可能性は捨てきれない、ということで鑑別にDCISをあげた程度でした。


 今回紹介できたこの症例は非常にめずらしいものだと思います。
 なかなか、拡張乳管集合型DCISは見つかりませんが、このような所見の画像が得られたら
 必ず鑑別にDCISをあげましょう。