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 37歳 女性


 乳房内にしこりがあることに気が付き、当院外来を受診された患者様です。


                




 腫瘤の境界は明瞭ですが一部では不明瞭に描出され、形状は不整形、内部は不均一に描出されています。
 この腫瘤の最も特徴的な超音波所見は、腫瘤の内部エコーが高いことで、周囲の皮下脂肪組織と比較すると
 皮下脂肪組織とほぼ同等のエコーレベルで描出されていることがわかると思います。



 また、腫瘤の後方エコーが強く増強しているのも特徴的な所見ですし、プローブの角度によっては
 腫瘤周囲から側方陰影が観察され、腫瘤の辺縁は丸く整な形状を示していることが予想されます。
 しかし左上画像に見られるように、腫瘤と脂肪が接している部分では不整な形状にも観察されました。



 ドップラーでは腫瘤へ流入する複数の拍動性の血流信号が得られました。
 画像には載っていませんが、大きさは約26×11×22mm 血流RI=0.86、D/W ratio= 0.423 でした。



 線維腺腫や葉状腫瘍といった腫瘤も鑑別にあがるでしょうが、腫瘤内部があまりに不均一に観察され
 形状が不整であることから、悪性の腫瘤を先に考えました。
 悪性病変の中でも、内部のエコーレベルが高く、後方エコーの明らかな増強が見られる粘液癌の典型的な所見と
 考えました。



 術後の病理結果では粘液癌(pure type)となっており、典型的な粘液癌の所見を示した症例だと思います。