超音波検査室 >> 実際の症例 >> 乳腺領域 >> 乳腺
 まず、はじめに
 超音波検査の基礎
 検査の進め方
 正常例の画像
 実際の症例
   上腹部領域
   下腹部領域
   乳腺領域
       乳腺
       その他
   頚部領域
   四肢領域





  

 58歳 女性


 乳癌検診にて撮影したマンモグラフィーにて異常陰影を指摘され、当院を紹介、受診された患者様です。





  腫瘤は約21×9×17mmの大きさで、境界は明瞭、形状は不整形を示します。
  内部エコーレベルは一見低く見えるかもしれませんが、皮下脂肪組織と比較すると
  皮下脂肪組織と同等のエコーレベルで、腫瘤の内部エコーは等エコーに近いことがわかります。



  腫瘤の内部は不均一に観察され、一部嚢胞様変性を伴っているように観察されています。
  腫瘤の後方エコーに明らかな変化は認めず、あっても軽度の増強だと思います。
  腫瘤内には少し血流信号が観察されていますが、豊富な血流とは言いがたく、血流評価は困難でした。



  粘液癌はもちろん鑑別にあがるのですが、腫瘤の後方エコーがほとんど変化が無かったために
  典型的な所見としては考えづらく、両側の乳腺実質には不均一な乳腺症を伴っていたため
  乳腺症の変化、形状の不整な線維腺腫等が鑑別にあがりました。



  また、この腫瘤を悪性病変として考えるとDCISも鑑別にあがると思います。
  乳癌の統計によれば粘液癌は非常に少ない部類に入るということもあり、報告書には粘液癌は記入せず
  不整な線維腺腫かDCISが鑑別にあがる、として報告しました。



  この後、この腫瘤に対して手術が行われましたが、粘液癌(pure type)だった症例です。



  粘液癌の後方エコー増強は腫瘤内の粘液の存在により超音波の減衰が少ないために起こります。
  比較的細胞成分が多く、粘液成分が少ない場合は後方エコー増強の程度は少ないのでしょう。