超音波検査室 >> 実際の症例 >> 乳腺領域 >> 乳腺
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 63歳 女性


 検診のマンモグラフィーで微細石灰化の集族が認められ、精査目的で当院の外来を紹介された患者様です。
 超音波検査では以下の画像が得られました。




 左乳腺C領域、2時の方向に、境界不明瞭で複数の微細石灰化を伴う低エコーの領域が認められます。



 画像には載っていませんが、大きさは11×10×7.5mm程で D/Wratio = 0.68、
 境界は不明瞭で不整形を示し、後方エコーはやや減衰、多数の石灰化を伴っています。
 有意な血流信号は認められませんでした。



 皮下脂肪層に注目して観察すると、腫瘤から離れた皮下脂肪層では脂肪のエコーレベルは低エコーで描出
 されているのに対して、腫瘤の真上の脂肪層は淡い高エコーで描出されています。



 最初は低エコー領域が非常に小さく、DCISを疑ったのですが、この脂肪層のエコーレベルの違いが
 観察されたことにより、脂肪組織への浸潤が疑われました。



 また、右の画像では、高エコーで描出されている脂肪組織に向かってやや突出しているようにも観察され
 乳腺前方境界線の断裂と考えられました。



 典型的な乳頭腺管癌の画像と考えられます。



 よく、DCISと微細浸潤がある乳頭腺管癌では、超音波上同じような画像で観察される事があり、
 鑑別が困難になりますが、

 今回のケースでは、脂肪組織のエコーレベルの上昇が浸潤を教えてくれたので、
 DCISは否定でき、乳頭腺管癌を疑うことができました。



 術後の病理組織でも同様に、乳頭腺管癌 (papillotubular carcinoma = 乳頭管状癌) が疑われていました。