超音波検査室 >> 実際の症例 >> 乳腺領域 >> 乳腺
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 38歳 女性


  乳腺内に「しこり」を自己発見し、他院にて Follow up されていた患者様です。
  今回、転勤とともに今まで通院していた病院に通えなくなったために、当院の外来を受診されました。






 写真は右乳腺についてだけ掲載していますが、左乳腺にも同様の所見を示す腫瘤が散在して観察されました。


「症例1」と同様に、複数の腫瘤性病変が観察されています。
(左上、右上の画像は別の腫瘤ですが、左下、右下の画像は同一の腫瘤です)
小さな腫瘤で約25mm、大きな腫瘤で約40mmで観察されています。


症例1と同様に、存在するほとんどの腫瘤が同等の所見を示しています。
形状は楕円形、もしくは分葉形、境界は明瞭で平滑、内部はやや不均一に観察されており
葉状腫瘍を疑うのは、それほど難しくありません。
もちろん、鑑別として線維腺腫があがると思います。


この葉状腫瘍の症例では、右下、左下に示している画像の腫瘤に、「症例1」と違う特徴が描出されています。
それは、腫瘍部分の一部に無エコーで観察されている領域があるということです。


葉状腫瘍は大きくなると、内部が徐々に不均一に観察されるようになり、
線状の構造物の間に無エコーで観察される領域がでてくる場合があります。
この症例の葉状腫瘍は、部分的な無エコー領域を有する特徴を持った典型的な例だと思います。


同様の所見を示すものとして、「粘液癌」があがります。
粘液癌も腫瘤内部に無エコー領域が存在している場合があり、鑑別にあがる場合もありますが
この症例の場合は、左右の乳房に多数の腫瘤性病変が存在して、いずれも同様の所見で観察されており
腫瘤内に無エコー部分が観察されている腫瘤も複数存在していました。


そういう意味では「粘液癌」は否定的であり、積極的に葉状腫瘍を疑うべきでしょう。