超音波検査室 >> 実際の症例 >> 頚部領域 >> 甲状腺
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 62歳 女性


  


 甲状腺の大きさ

   甲状腺峡部 2mm
   甲状腺右葉  幅 16mm  厚さ 18mm  長さ 44mm
   甲状腺左葉  幅 17mm  厚さ 19mm  長さ 43mm



  甲状腺の腫大は認めていませんが、甲状腺右葉に一つだけ腫瘤性病変が観察されています。
  腫瘤の大きさは約14×13mm、 境界は明瞭、辺縁平滑、形状はほぼ円形で
  内部のほとんどは充実性領域で占められています。
  腫瘤境界部の一部だけ嚢胞性領域が確認でき、粗大な石灰化を伴っており
  この石灰化は乳頭癌などの悪性腫瘍内に観察されるものと違い、良性腫瘍を疑わせる石灰化です。


  充実性領域はやや不均一に観察されるものの、強く悪性病変を疑う所見は少ないと判断し
  超音波上は腺腫様結節が疑われると考え、検査を終了しました。


  この患者様は以前から甲状腺内の腫瘤性病変を指摘されていたようで、
  約1年前の画像があったので見比べてみました。 下の画像がその1年前の画像です。



  


  腫瘤の大きさは約23×21mmと明らかな違いが見られています。
  腫瘤の内容にも違いが見られ、この1年前の画像では腫瘤内の広い範囲で嚢胞性領域が観察されていますが
  今回観察された超音波画像と比較してみると、嚢胞性領域が明らかに小さくなっていることがわかります。


  患者様に話を聞き、カルテも参照してみましたが、この腫瘤に対しては特に治療は行われていません。
  つまり、1年の間に自然に縮小したということになります。
  1年前に観察された腫瘤内部の液体部分が縮小し、充実性部分だけが残った状態になったため
  今回のような所見が得られたと考えられます。
  また、その変化の過程で腫瘤内に粗大な石灰化ができた、と考えられます。